株式会社ファイブスターズ アカデミー
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「こんな問題が起きていますが、どうしたらいいですか?」
問題が起きると自分の頭で解決策を考えようとせずに、すぐに上司や先輩に答えを聞いてくる若手が増えていませんか。
その背景には、インターネットの普及によって、お困り事の解決策が数秒で提示される時代になったことも影響しているようです。
「指示待ちタイプ」が流行語になったのはかなり前のことですが、最近では問題の解決方法を指示してもらわないと、自分では1ミリも動けないという社員も珍しくなくなりました。
ある企業では、上司や先輩が忙しそうでとりつく島がなかったため、「上司が忙しそうな時はどうしたらいいか?」と『ヤフー知恵袋』で答えを検索した社員もいるそうです。
学校のテストのように、インターネットで検索すれば必ず正解が掲示されると思っているのでしょう。
一方で、自分の頭で考えない部下が増えているのは、上司の側にも責任があるのではないかとも思うのです。
働き方改革の一環として「残業御法度」のお達しが出ているためか、部下の質問に対して脊髄反射的に解決策を指示してしまう上司はたくさんいます。
かくして、「言われたことならすぐやる社員」や、「頭は働かないが手はよく動く社員」の一丁上がりと相成るわけです。
ただし、AI時代が到来すると、もっと事務処理能力の高いロボットが出現するでしょうから、そのポジションを守り切ることは難しいかもしれません。
ところで、部下育成が上手いと評判の管理職を観察すると、部下にすぐ指示を出している人など見当たりません。
指示を出す代わりに、必ずこう質問します。
「どうしたらいいか、君の考えを聞かせてくれ」
たとえ見当外れの答えが返ってきたとしても、辛抱強く「他には?」と腹案に近づくまで何回も繰り返します。
もし、どうしても近づかない時はどうするかというと、「こんな方法はどうかな?」とさりげなくサジェスチョンしたりします。
要するに、自分の頭で考える癖をつけさせるのです。
間違えてはいけないのは、上司の最終目的というのは、残業をしない部下を育成することではなく、自分の頭で考えて行動する部下を育成することです。
ただその指導を勤務時間内に終わらせなければならない、という制約があるだけです。
最近では、「ホウレンソウ」は間違いであると主張する人まで現れました。
どういう事かというと、「報告」は必要ないと言うのです。
すなわち、上司とのコミュニケーションは、「連絡」と「相談」だけでよいというのです。
自分の頭で考えることのできる部下なら、単なる「報告」にだけ来ることはまずありません。
状況の「連絡」と、自分で考えた対策の「相談」に来るはずです。
そう言われると、確かに「ホウ」よりも「レンソウ」の方が重要だという気にはなります。
でも、「報告」が必要なケースというのも間違いなく存在します。
異常事態が発生した時です。
ところが、そんな時に限って報告が遅れたりします。
誰だって怒られるのは嫌です。
だから、なんとか自力で解決できそうだと判断した時は、どうしても報告は後回しになりがち。
しかし、結果的にこれが傷口を広げてしまうのです。
アメリカ海軍史上No.1と賞賛された、ミサイル駆逐艦「ベンフォルド」の艦長マイケル・アブラショフには、異常報告が遅くならないようにするための、ある決まり文句がありました。
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