株式会社ファイブスターズ アカデミー
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最近、高齢者による暴力事件が増えているそうです。
高齢者の数も増えているので事件数が増えるのは当然ですが、高齢者10万人当たりの発生率で見ると10倍になるそうです。
これは、一体どう解釈したらよいのでしょう。
でも、私はちょっと違った解釈をしています。
以前、花見に出掛けた老人たちが列車の座席を確保するため、
「席をお譲り下さい。次の駅から敬老者が16名乗車します」
と書いた紙を座席に貼ったことが話題になりました。
最近は、老人が目の前に立っていても、スマホに夢中で優先席を譲ろうとしない無礼な若者もいます。
しかし、だからと言って優先席ではない一般席についても、常に老人に譲るべきだと考えるのは行き過ぎではないでしょうか。
一般席に座っている人の中には、肉体労働でヘトヘトに疲れている若者だっているし、始発駅から列に並んでやっと座れた人だっているのです。
そもそも、日本の公的年金制度は積立方式ではなく、賦課方式で運営されています。
そんなことより、私がこのニュースで引っかかったのは、「敬老者」という表現です。
「敬老」という言葉は、年下の人が年上の老人に対して敬意を払うという意味です。
ですので、老人自身が自分のことを「敬老者」と表現するのはおかしな話です。
昔は老人がそれほど多くなかったので、長生きした人には自然と敬意が払われる風潮がありました。
この、若い人が老人に敬意を払わないという傾向が老人をイライラさせ、その結果として「怒れる老人たち」が出現しているのではないでしょうか。
老人の怒りが暴走してしまう場所は駅が多いのですが、もともと暴力的な性格の人は少なく、現役時代は企業の管理職といった、それなりの地位についていた人も多いと聞きます。
ホームに立っているあなたに対して、「恐れ入りますが、もう少しお下がりいただいた方がよろしいかと存じますが」などという丁重なアナウンスがされることはないのです。
「俺を誰だと思っているんだ!」とつっかかってみたところで、駅員にとっては利用客の安全確保の方が最優先事項。
こうして日頃から小さな鬱憤が堆積していき、ある日信号故障などで電車が止まったりすると、鬱憤は突如として怒りに形を変えます。
でも、よく考えてみると、現役時代に部下があなたに敬意を払っていたのは、あくまであなたの「肩書き」に対してであり、あなたの「人間性」に対してではないはず。
そして悲しいことに、「肩書き」がどんなに立派だったとしても、リタイアと同時にご破算にされてしまいます。
一方、「肩書き」と連動して肥大化していた「プライド」の方は、そう簡単にはご破算にはなりません。
頭では分かっていても、理屈と感情は別物です。
「もっと俺に敬意を払え!」そう凄んでみたところで、「肩書き」がなくなってしまった今、あなたはもう「ただの人」でしかないのです。
でも、がっかりするには及びませんよ。
そもそも、かつての老人が年下の人から敬意を払われていたのは、ただ単に長生きしたからというだけではありません。
敬意を払うに値するだけの、人間性が優れていたからです。
その意見を拝聴するに値するだけの、高い見識を持っていたからです。
えっ?
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