株式会社ファイブスターズ アカデミー
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青森県にある恐山菩提寺の院代、南直哉(じきさい)のもとには様々な人が悩みの相談に訪れます。
ある女性が「結局、私は心安らかな毎日がほしいだけなんです」と言うので、南は「それはどういう毎日ですか?」と尋ねました。
「朝7時に起きて、ゆっくりお茶を飲んで、朝食をちゃんととって・・・」
「では、何時に起きているんですか?」
「8時にしか起きられないんです」
これは簡単に解決できるだろうと早起きを提案すると、「寝るのが遅いので睡眠時間は削れない」と反論してきます。
それなら早く仕事を終わらせたらと水を向けると、「時給制なので収入が減ってしまう」と細かな計算が始まってしまいました。
南によれば、これは自分が何を求めているのか、何を大切にしたいのかがわかっていないために起こる混乱なのだそうです。
多くの人は、「何か」が手に入れば幸せになれると思っています。
その満たされない「何か」は、時に人を不安に陥れる原因ともなるのです。
この女性の場合は、7時に起きることができれば幸せになれると思っているのですが、
自分が求めている「何か」、大切にしたい「何か」が、ゆっくり過ごす「平穏な日々」であるならば、多少の収入減は受け入れなければなりません。
そうではなく、求めている「何か」、大切にしたい「何か」が「お金」であるならば、
あわただしい日々はやむを得ないと考えて、しっかり働く方を選ぶべきです。
ところで、この女性の話を「しょーもない話だな」と、半分バカにして聞いている私たちは一体どうなのでしょう?
自分が求めている「何か」、大切にしたい「何か」が、はっきりわかっているのでしょうか?
南はもう一人、「私の生きがいは妻です」と言い切った中年男性の話も紹介しています。
大企業に勤めている彼は、ある時転勤の話を断ってしまいますが、その理由は妻が「引っ越したくない」と言ったからです。
それが影響したのか「飛び抜けた出世はできませんでした」と笑いながら話す姿からは、さほど後悔している様子は感じられません。
なぜなのでしょうか。
それは彼には、自分の求めている「何か」、大切にしたい「何か」がはっきりわかっているからです。
あなたはどうですか。
転居を伴う栄転の辞令を貰ったのに妻が引っ越しを嫌がったとしたら、「出世」を選びますか?
それとも「家族」を選びますか?
この選択は、先ほどの女性の話と少し通じるところがありますよね。
つまり、あなたが求めている「何か」、大切にしたい「何か」が「出世/お金」なのか、それとも家族との「平穏な日々」なのか、ということです。
多くのサラリーマンは、取りあえず真ん中をとって「単身赴任」で手を打ちます。
そうやって自分の求めている「何か」、大切にしたい「何か」を曖昧にしたままで取りあえず人生をやり過ごしていくのです。
ところが、そろそろ定年を迎える頃になると、ちょっと面倒なことが起こります。
「出世/お金」はもう選択肢の中から消えているので選ぶことはできませんが、かと言って「家族」の方を大切にしたいと思っても、そう簡単には事が運ばないのです。
と言うのは、現役時代「出世/お金」のために大して顧みることのなかった「家族」にとって、あなたはもうそれほど大切な存在ではなくなっている可能性があるからです。
ここに至り私たちは、自分の求めている「何か」、大切にしたい「何か」を真剣に考えようとせずに、先送りし続けたことのツケを払わされるはめになります。
それが手に入れば、幸せになれると思い込んでいる「何か」。
その「何か」を、現役時代は「出世/お金」、定年後は「家族」とそれぞれ分けて考える人もいるでしょう。
でも、場面によって都合よく切り替えられると思っているのはあなただけで、家族の方はそう思っていないかもしれません。
おそらく、二者択一で答えが見つかるような単純な問題ではないのでしょうが、人生において求めている「何か」、大切にしたい「何か」を一度じっくり考えてみることで、その優先順位やウェイト配分が少し変わってくる可能性はありますよね。
仕事に追われる忙しい日々ですが、ちょっとだけ立ち止まって考えてみませんか。
もちろんすぐに答えは出ませんが、それでもいいのです。
やがて定年を迎え、否応なしにこの問いを突きつけられて、後悔の念に苛まれる前のちょっとした練習だと思って・・・。
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