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5☆s 講師ブログ

百( )は一( )に如かず

「百(  )は一(  )に如かず」という穴埋め問題が出されたら、答えは当然「百(聞)は一(見)に如かず」ですよね。

この諺は中国の二十四史の一つ、「漢書」(かんじょ)という歴史書に書かれているものだそうです。

百人の話を聞くよりも、自分の目で事実を確かめることの方が大事である。

会社でもそうですよね。
現場で何が起こっているのかを知りたければ、大勢の部下から報告を聞くよりも、自ら現場に足を運んで自分の目で確認した方が早いはず。

この諺に異論のある人はいないだろうと思っていたら、「見るだけでよいのか?」という疑問を呈する人が現れました。
中国では、後世の人々が様々な続きの諺を創作しているそうです。

まず最初は、「百見は一考に如かず」

つまり、百の「見る」ことよりも、「なぜ?」と「考える」ことの方が大事だと言うのです。
なるほど、言われてみればその通り。

現場の不具合を自分の目で確認しても、それだけで終わってしまうのでは意味がありません。

なぜ、そのような事象が発生したのか、その原因を突き止める必要があります。
つまり見るという行為は、見た事実を分析し検討するという、「考える」ことで初めて意味をもつことなのです。

ところが今度は、「考えるだけでいいのか?」と主張する人が出てきました。

不具合の原因を突き止めても、対策を実行しなければ意味がないというのです。

そこで、「百考は一行に如かず」(百の考えより一つの行動)が生まれました。

言われてみれば、これも納得ですよね。

原因を「考える」だけでは問題は解決されません。
「考えた」結果として対策を実行する、すなわち「行動する」ことで問題は解決に向かうのです。

今までの話を、不等号を使って分かりやすく整理してみますね。

「聞く」<「見る」<「考える」<「行動する」

結局のところ、「行動する」ことが最も重要なのです。
「行動」に繋がらない見聞や考察は大して意味を持たない、と言ってもいいでしょう。

あなたの会社には、「聞くだけの人」や「見るだけの人」、そして「考えるだけの人」はいませんか。

会社の規模が大きくなると、頭脳明晰な優秀人材が入社してきますが、この優等生たちは問題分析に関しては類い希な才能を発揮するくせに、いざ「行動する」となると尻込みしてしまうケースが多いのです。

このような「評論家」タイプの社員が多くなると、間違いなく会社は衰退します。

求められるのは、あくまで「行動する」人なのです。

ところが、この「行動至上主義」に対しても異議を唱える人が出現しました。

これ以上何があるというのでしょうか。

その人曰く、「百行は一果に如かず」

百の行動よりも一つの成果というわけです。

最終的な目的は「行動する」ことではなく、行動によって「成果」をあげることだと言われてしまうと、確かにその通り。
「成果」こそが最終的なゴールだ、という結論には誰もが納得ですよね。

人の話を「聞く」ことや自分の目で「見る」こと、そして一生懸命原因を「考え」て改善に向けて「行動する」ことは、すべて「成果」をあげるためにすることなのです。

つまり、「聞く」、「見る」、「考える」、「行動する」という行為は、「成果」というゴールに辿り着くためのプロセスに過ぎないのです。

猛烈なスピードで変化し続ける現代ビジネス。

人事考課の世界に、「成果主義」が導入されて早数十年。

しかし、と私は思うのです。

その「成果」というゴールに向かうプロセスにおいて、「聞く」ことや「見る」こと、そして「考える」ことは十分に機能しているでしょうか?
少しばかり疎かになってはいませんか?

目先の「成果」にこだわるあまり、十分に「聞い」たり、「見た」り、「考え」たりする前に、拙速な「行動」が取られているようなことはありませんか?

上がってくる数字だけで判断するのを止めて、まずは現場の人たちの話に耳を傾けてみませんか。

そして、現場に足を運んで自分の目で事実を確認し、どうしたらいいのかじっくり考えてみることから始めてみませんか。

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