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5☆s 講師ブログ

失敗したくない

新入社員が配属されてから1カ月以上が経ち、そろそろ新しい環境にも慣れた頃。

あなたのチームの新人クンも元気にやっているでしょうか?

ここ数年で就活の環境は大きく変わりました。

就職氷河期の頃の就活戦線は、敗北に次ぐ敗北という心が折れそうな苦い経験の連続でした。
彼らにとって、これほど思い通りにいかない経験というのは、もしかしたら生まれて初めてのことだったかもしれません。

ともあれ、大変な環境に置かれたことで、ある程度のストレス耐性が養われたことは数少ない成果のひとつでした。

就活で繰り返し失敗体験を強いるのがいいことか悪いことかは別として、「失敗したくない」という意識が非常に強い最近の若者にとっては、人間形成に影響を与える貴重な体験となったことは確かです。

ところが、アベノミクスにより状況は大きく変わりました。

今年の春に卒業した大学生の就職率が過去最高の98%という「超・売り手市場」時代の到来により、就活は失敗体験とは無縁な存在となってしまいました。

その影響でしょうか、新入社員研修にも変化が見られるようです。

かつて研修運営については、「厳しく」というリクエストが多かったのですが、最近は「とにかく優しく」が増えているというのです。

企業の担当者の弁を借りれば、「せっかく苦労して採用したのに、厳しくして辞められたら困る」とのこと。

入社後2年以内に離職を考える若手社員が37%もいるという調査もありますので、確かにその心配はわからないでもありません。

一方で、「優しい」新入社員研修というのは、受講生の目には「緩い」と映ってしまう危険性もあります。

研修期間中はそれで保つのでしょうが、現場に配属された後はどうでしょう。

現場には数字目標というものが存在します。

チームとして結果を出すことが求められます。

「厳しい」マネジメントが必ずしも結果に繋がるわけではありませんが、「緩い」マネジメントで結果を出すのはそれ以上に難しいことです。

かくして新入社員が配属された現場では、辞められないように配慮しながら、一方で結果を出せる戦力に育てるという、実に難易度の高い課題に直面することとなります。

この課題をさらに複雑化しているのが、先ほど触れた新入社員の「失敗したくない」という意識です。

そもそも人間は失敗を繰り返して成長していくものですが、いまどきの新人クンは失敗を恐れるあまり、マニュアルなしのチャレンジには異様なほど尻込みします。

最近の新入社員研修でよく出る質問が、「正解は何ですか?早く教えて下さい!」というものです。

そして、うまく行かなかった場合でも失敗したことだけは認めたくないので、「一生懸命努力したことは認めてください!」と食い下がったりします。

私は、「成果に結びつかない努力は、努力とは言わない」と叩き込まれて育った世代です。

厳しく叱られて「どこが間違っていたのか」、「何が足りなかったのか」と反省したものです。
でも今は、このようなハードな指導は絶対にやってはいけません。

では、どうするか?

まず第一段階として、一定の努力をしたことは認めると伝えましょう。

第二段階で、ビジネスにおいて評価対象となる努力というのは、成果につながったものだけであることを理解させます。
なぜなら、成果だけが社員に支払われる給料の源泉だからです。

第三段階では、将来の成果創出のために、今回の失敗から何を教訓として得たのか気づかせます。

そして最終段階として、次に似たような場面に直面したらどうするかを考えさせるのです。

随分と面倒な作業のようにも見えますが、このやり方の方が世界標準に近いのです。

育成に関して言えば、今までがあまりに手間暇かけなさすぎていたのかもしれません。
次回は、いまどきの新人クンの、もう一つの特徴についてお話ししましょう。

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