株式会社ファイブスターズ アカデミー

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5☆s 講師ブログ

延長12回ウラ(3)

松波晴人が紹介してくれた二人のチャレンジャーの箴言は以下のものです。

まず初めは、アインシュタイン。

「一度も失敗をしたことがない人は、何も新しいことにチャレンジしたことがない人だ」

次は、1994年のサッカー・ワールドカップでPKを外し、ファンの猛烈な批判にさらされたイタリアのロベルト・バッジョ。

「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気をもった者だけだ」

ビジネスにおいては、失敗する確率の方が高いのです。

それでもチャレンジし続ける勇気はありますか?
また、それを「よし」とする風土があなたの会社にはありますか?

かつての日本企業は、チャレンジ精神に溢れていました。

しかし、今はどうでしょう?

アイロボット社の『ルンバ』は大ヒットしましたが、実はこの「ロボット掃除機」というアイデアを最初に考えたのは、日本のメーカーだったそうです。

しかし、そのアイデアは上司によってあっさり却下されます。

理由は仏壇でした。

「もしロボット掃除機が仏壇にぶつかってろうそくが倒れ、それが原因で火事になったらどう責任を取るつもりだ!!」

そもそも、この商品がメイン・ターゲットとする都会のマンション暮らしの共働きの夫婦で、仏壇のある家庭は何パーセントくらいあるのでしょう。

その上、ロボット掃除機をつけたまま、ろうそくの火を消し忘れてうっかり外出してしまう確率はどのくらいでしょう。
確かに可能性としてはゼロではありませんが、注意喚起の大きなビラを製品の箱に同封したりすることで、そのリスクをとることはできなかったのでしょうか。

部下のアイデアをぶっ潰した上司は、会社に対して何の損失も与えなかったという意味では、安全策の代表選手と言えましょう。

反面、大きな利益のチャンスを逃してしまいましたが、それでも評価されてしまうのが日本の人事制度の不思議なところ。
加点のチャンスを逃すことより、減点されないことの方が大事なのです。

だから、企業が空前の利益を出してもほとんど研究開発費には回されず、全額内部留保されてしまうのです。

日本の国家予算が100兆円規模なのに、企業の内部留保の総額は400兆円を超えています。
安全策を取り続けた結果、ビジネスの最前線ではどんなことが起こっているのでしょうか。

パソコンのOSはウィンドウズかマック、検索はグーグル、スマホはアイフォン、買い物はアマゾン。
フェイスブックにインスタグラム、そしてツイッターにライン。

日本発のものなんて何一つないではありませんか!

世界に冠たる「技術大国ニッポン」は、一体どこに行ってしまったのでしょうか?

世界を驚愕させるような新製品を次々と世に送り出していたチャレンジ精神は、跡形もなく消え去ってしまったというのでしょうか?
私見ですが、日本企業の体質をすっかり変えてしまったのは、途方もなく長く続いたデフレだったのかもしれません。

同点で迎えた12回ウラ、2アウト満塁。
安全策の「待て」のサインを選択し、打者が一度もバットを振らずに見逃し三振しても、リスクを取らなかったとして高く評価してきた結果がこれなのです。

でも、今日の試合に負けなかったからと喜んでいると、いつの間にか「勝たなくてもいい」という思想が蔓延するチームが出来上がってしまい、気がついた時にはペナントレースの最下位になっていることだってあるのですよ。

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