株式会社ファイブスターズ アカデミー

まずはお気軽に
お問い合わせください。

03-6812-9618

5☆s 講師ブログ

延長12回ウラ(2)

狩野の空振りで、「振るなよ」という空気が球場を覆い尽くしますが、この時テレビ中継の解説を務めていた星野仙一の見解は、ちょっと違っていました。

星野は、最初のストライクを振っていけるかどうかがポイントだと考えていました。

そして、狩野が初球を空振りするのを見届けると
「振ったからいいですよね。思い切って振りましたからチャンスはありますよ」
と、球場のムードとは真逆のことを言い始めます。

はたして星野の言葉どおり、狩野は豊田の2球目をバット一閃。

快音を残し、糸を引くようなライナーがサードの頭上を越え、レフト線のフェアグラウンドでワンバウンドします。
プロ入り初ヒットがサヨナラ打。
狩野にとっては、生涯忘れられない一打となりました。

しかし、チャレンジの「打て」と、安全策の「待て」のどちらが正しいかは、簡単に結論づけられるものではありません。

この時はたまたま結果が出ましたが、「待て」が正解の時もあるでしょう。
シングルヒットと四球の確率がほぼ同じなのですから、「待て」のサインが出ていたら、狩野は粘って四球を選んでいたかもしれません。

ただ、もしそうなっていたら翌日の狩野のスタメン起用もなかったし、その試合での初ホームランも生まれなかったでしょう。

ましてや、一度は掴んだレギュラー・キャッチャーの座をメジャー帰りの城島健司に奪われ、それでもなんとかして試合に出たいと外野手に挑んだ不屈の精神や、後に選手会長を務めるほどの人望も身につけることはできなかったでしょう。

チャレンジが正しかったかどうかというのは、その時の結果だけで判断されるべきものではありません。

たとえ結果が失敗だったとしても、チャレンジは人の成長をもたらしてくれます。

この話題を提供してくれた大阪ガス行動観察研究所の松波晴人は、二人の偉大なチャレンジャーの箴言もあわせて紹介しています。

初めての方へ研修を探す講師紹介よくある質問会社案内お知らせお問い合わせサイトのご利用について個人情報保護方針

© FiveStars Academy Co., Ltd. All right reserved.