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5☆s 講師ブログ

ハトの方が賢い?(2)

「モンティホール・ディレンマ」におけるヒトチームとハトチームの対抗戦は、
スイッチが正解であるにも関わらず、初日はどちらもステイ70%、スイッチ30%という、実に低レベルでの引き分けに終わりました。

このことから、ヒトとハトのどちらも、数学的に賢い頭脳は持ち合わせていないことがわかります。

ところが、30日後の最終日に100回の試行を重ねた結果は、人類を驚愕させるに十分なものでした。

ヒトチームはステイがほぼ70%、ステイ30%。
これは、初日の結果と同じではありませんか。

ということは、ヒトは30日間もの間、何一つ学習しなかったことになります。

対するハトチームは、なんと100%に近い確率でスイッチを選択していました。

何ということでしょう。

人類の頭脳が、ハトに敗北した瞬間です。
よりによって、あんな小さな脳ミソに負けるなんて・・・。

しかしどう考えても、ハトが実験の途中で1/3と2/3の確率分布に気づいたとは思えません。

いや、むしろ確率分布の計算ができなかったからこそ、正しい行動をとることができたと考えるべきでしょう。
つまりハトは、繰り返しの中でスイッチした方がエサにありつく確率が高いことに、経験上気づいたに過ぎないのです。

では、なぜヒトは気づくことができなかったのでしょうか?

それは、「どちらも1/2のはず」という誤った先入観が邪魔をしたからです。
なまじ自分を賢いと思い込んでいるから、素直に経験から学ぶことができなかったのです。

ビジネスでも同じではないでしょうか。

私たちに必要なのは、高度な数学的処理能力ではなく(と言っても大して高度でもありませんが)、先入観にとらわれることなく客観的に事実を見つめ、そこから最善策を考え出す能力です。

そして何よりも大切なのは、「まず実行してみる」という勇気ではないかと思うのです。

というのは、初日にヒトもハトもステイが70%だったのは、ある傾向を示していると思うからです。

もし、ステイとスイッチの確率が1/2ずつであると本当に信じていたなら、ステイとスイッチの比率は50%ずつになってもよさそうなものです。

なぜ、そうならなかったのかというと、私たちはステイとスイッチが確率的に同じだと頭で理解していても、いざ行動するとなると、無意識のうちに現状維持のステイの方を選択してしまうのではないのでしょうか。

スイッチは、現状からの変化を意味します。

どんなに簡単そうに見えても、変化というのは精神的な負担を伴うものです。
だから、どちらも確率が同じであるならば、ついつい精神的に負担が少ない、現状維持の方を選んでしまうのです。

それはハトも同じでした。

おそらく、生き物すべてに、このようなプログラムがなされているのでしょう。

このプログラムに打ち勝つには、
「自分には誤った先入観とか、現状維持といった致命的な欠点があるのだ」
ということを、誰よりも深く自覚し続けること以外にありません。

それが、ヒトがハトを超える唯一の道なのです。

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