株式会社ファイブスターズ アカデミー
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「社会的知性」を考える上で参考になる、長谷川寿一の示唆的な発言とは以下のものです。
「ソーシャル・ブレインに深く関わる『共感』と『教育』については、野生・飼育を問わずチンパンジーからの証拠はほとんどないと言ってよい」
つまり、チンパンジーには「共感」と「教育」が欠けていたために社会脳を発達させることができず、その結果ヒトのように高度な社会を作れなかったというわけです。
確かに日本のヒト社会を見ると、細部に至るまで「教育」システムが構築されています。
では、「共感」の方はどうでしょう。
ところで心理学者の福島宏器によると、「共感」は人間だけに見られるものではないそうです。
例えばイルカが岸に打ち上げられた仲間から離れようとせず、その結果群れ全体が死んでしまう現象などは、間違いなく「共感」と言えます。
イルカだけではありません。
アカゲザルで行ったこんな実験があります。
つまり、「多いエサ」を選ぶ度に、仲間が苦しむ姿を見せられることになるのです。
実験したサルのうち2/3は「少ないエサ」の方しか取らなくなりました。
では、残りの1/3のサルはどうなったかと言うと、エサを全く取らなくなったのです。
しかし、ここで不思議に思うのは、アカゲザルより圧倒的に進化してヒトに近いはずのチンパンジーでは、このような結果が得られないことです。
ここからはあくまで私の仮説でしかないのですが、チンパンジーは「論理数学的知性」を発達させる代償として、「社会的知性」に関係する「共感」の能力を退化させてしまったのではないでしょうか。
だとしたら、まさに“チンパンジー・リーダー”。
でも、安心してください。
ハワード・ガードナーは、8種類の知性の中のひとつに「感情的知性」というものを上げています。
どうやら「社会的知性」と「感情的知性」は、密接に関係しているようです。
でも、高等教育以降となると、その機会はそれほど多くないように思います。
あなたの職場の雰囲気がギスギスしているなと感じたら、今一度ヒトとしての基本に立ち返って社員教育における「共感」教育というものを考えてみませんか。
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