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5☆s 講師ブログ

チンパンジーリーダー(1)

チンパンジーはヒトに最も近い動物と言われ、「文化」、「道具利用」、「言語(シンボル操作)」、「政治」、さらには心理学の「心の理論」などの分野で、他のどんな動物よりもヒトに近い能力を示します。

しかし、残念ながらそれらの能力はいずれも萌芽的段階に留まっていて、決してヒトのレベルに達する事はありません。

なぜなのでしょう?

チンパンジーが乗り越えることのできない壁とは、一体何なのでしょう?
それが分かれば、チンパンジーとヒトの違いもわかるはずです。

動物行動学者の長谷川寿一は、とても興味深い見解を示しています。

「何が欠けているかと言えば、それこそがソーシャル・ブレインだった」

ソーシャル・ブレインとは、文字通り「社会脳」のこと。

最近、最も注目されている脳機能の一つですが、辞書によるとその定義は以下のようになります。
「社会的な人間関係を築く上で必要な脳機能のこと」

何だか分かったような、分からないような話ですよね。

そこで、ちょっと遠回りにはなりますが、高次の脳機能の象徴である「知性」について解説しましょう。

ヒトの知性というのは単一のものではなく、様々な種類の知性によって構成されていると言われています。

この「多重知能説」を唱えるハワード・ガードナーによれば、「言語的知性」や「論理数学的知性」などの他に、「空間的知性」など全部でなんと8種類もあるそうです。

その中の「社会的知性」というものが、いわゆる「社会脳」と考えられます。

彼によれば、IQ(知能指数)とはそれら8種類のベクトルの総和と定義づけられますので、それぞれのバランスがとても重要だということがわかります。

会社の中を見渡すと、「頭はキレるが、周りがついてこない」というリーダーが散見されたりしますが、これなどは「論理数学的知性」が突出して高い一方で、「社会的知性」がきわめて低いケースと考えられます。

では、「社会的知性」を高めるにはどうしたらよいのでしょう。

残念ながら学術的な答えはまだ得られていません。

なんとなく「コミュニケーション能力を鍛えなければならないだろうな」ということぐらいはわかりますが、その辺は今後の研究に期待したいところです。

ただその件に関しても、長谷川は実に示唆的な発言をしています。

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