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5☆s 講師ブログ

従業員ファースト(2)

サウスウエスト航空に寄せられた、従業員のユーモアに対するクレームの手紙。

普通の会社ならこの乗客に平謝りした上で、問題を起こした従業員にきついお灸が据えられるところです。
ところが、サウスウエスト航空がこのクレーム顧客に送った返信は全く違っていました。

「お会いできなくなることを寂しく思います」

なんということでしょう。
サウスウエスト航空の方から絶縁状を叩きつけたのです。
ただし、今少し正確に言うと、この顧客は安全説明の態度だけでなく、ありとあらゆることにクレームをつける“楽しめない”客でした。

リーダーは、組織を賢くすることよりも組織を健やかにすることに全力を注ぐべきだと主張する、人材開発コンサルタントのパトリック・レンシオーニは、講演でこのエピソードを紹介する際に決まってこう付け加えます。

「従業員が調子に乗りすぎて問題が生じても、リーダーがそれをよしとするとき、
あなたはその企業には何らかのコア・バリュー(基本的価値)があることに気づく」

従業員第一というのは、リスクを伴うものです。

それでもなお、従業員が仕事を楽しめる環境を整えてあげるという覚悟が必要なのです。
それが、サウスウエスト航空のコア・バリューです。
ひとりのクレーマーを失っても、代わりに多くのリピーターを獲得できればビジネスは成功なのですから。

ケン・ブランチャードは、これこそが「サーバント・リーダーシップ」であると断言します。

かつて、ロバート・グリーンリーフが「リーダーたる者、まず相手に奉仕し、その後相手を導くべきだ」と、この難解な概念を説明したとき、その趣旨を正確に理解できた人はそれほど多くありませんでした。

そもそも、召使いがリーダーになるという状況自体、全くイメージできないではありませんか。

「サーバント・リーダーシップ」の真逆が「支配型リーダーシップ」だと説明されたところで、組織を支配する者こそリーダーだと教わった者にとっては、混迷が深まるばかりでした。

多くの会社がその本質を理解できないまま、とりあえずピラミッド型の組織図をひっくり返して、
社長が一番下で平社員が一番上、そしてさらにその上に顧客が存在するという構図を作って何となくわかったような気になったものです。

今から思えば、赤面するほど恥ずかしい行為ですが・・・。

私たちは、リーダーというとどうしても、「オレについて来い!」という組織牽引型のリーダーを思い浮かべてしまいます。

しかしそれは、高度成長期やそれに続く安定成長期のリーダー像。
この先行き不透明な時代に、もしも「オレについて来い!」と言うリーダーがいたら、それは間違いなく独りよがりの自信家です。
絶対について行ってはいけません。

現在、ニューヨーク・ヤンキースで活躍中の田中マー君を擁する駒澤大学苫小牧高校を率い、甲子園で見事優勝を果たした香田誉士史は、高校野球の監督にとって大切な心得としてこんなことを言っています。

「上に立つより、役に立つ」

高校生よりはるかに年上の香田は、監督とは高校生の上に立って指導するのではなく、高校生の役に立つような存在でなければならないと言うのです。

あなたは 「部下の“上”に立つ」リーダーですか?

それとも 「部下の“役”に立つ」リーダーですか?

この「サーバント・リーダーシップ」(奉仕型リーダーシップ)という概念について、ケン・ブランチャードはもっとわかりやすいリトマス試験紙を用意してくれています。

曰く、「部下に奉仕するのか、自分に奉仕するのか」

つまり、部下がイキイキ働くためにその役に立ちたいのか、
それとも自分の出世のために部下を踏み台にしたいのか。

こっちの方がわかりやすいですかね。

うーん、一口に「リーダーシップ」と言っても、随分奥深いものだということがよくわかりました。

コリーン・バレットは『世界で一番従業員を愛している会社』の中で、「リーダーシップ」をこう定義しています。

「リーダーシップとは役職に就いたり肩書を持ったりすることではありません。

リーダーシップとは生き方です」

部下が見ているのは、あなたのマネジメント手法ではありません。
あなたの生き方そのものです。

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