株式会社ファイブスターズ アカデミー
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競合の多い企業にとって最大の課題は、どうやって他社より優位に立つかということです。
経営学では、二つの考え方があります。
ひとつはマーケットを重視する考え方で、「ポジショニング・ビュー(市場競争戦略論)」と呼ばれるものです。
①新規参入の脅威
簡単に言うと企業外部にある「見えるもの」を分析し、マーケットにおける最適なポジションをとることで優位性を保とうとする理論です。
これは多くの経営者が認識しているところです。
役員訓示の場面などでは、必ずと言っていいほど「変化する外部環境」のことが語られます。
まるで危険を知らせるサイレンのように、何度も何度も外部環境の変化に関する断片的な情報が提供されますが、具体的にどう対応すればいいのかはいつも謎に包まれたままで訓示は終わります。
では、変化する外部環境の分析を徹底的にやれば、生き残りの道筋が見えてくるのでしょうか。
外部環境を分析すればするほど、それは事業や経営戦略の見直しに繋がっていきます。
人をリストラすると、人に付随する様々なノウハウもリストラされてしまいます。
いや、ノウハウだけではありません。
職場によい影響を与えていた、その人の考え方や行動力、さらには仕事に対する取り組み姿勢といった、いわゆる「見えざる資産」までも失われてしまいます。
一方、「ポジショニング・ビュー」とは正反対に、マーケットではなく企業内部を重視する考え方もあります。
「リソースベースド・ビュー(内部経営資源に基づく戦略論)」と言われるものです。
プラハラードとハメルは「コアコンピタンス」という考え方を提唱しました。
この立場をとるバーニーは、企業内資源の中で最も重要なものは「人材」であると断言します。
つまり人材こそが、他の資源では代替することのできない「見えざる資産」の代表選手というわけです。
「変化する外部環境」を声高に訴える経営者はたくさんいますが、不思議なことに「人材育成」を最優先に考える人はそれほど多くありません。
彼らはおそらく、「マーケットが変化しているぞ!」と警鐘を鳴らすことで、社員が自らの意識を変え、さらには行動までをも自動的に変えてくれることを期待しているのでしょう。
なぜ、うまくいかないのでしょうか。
それは意識が変わることと、行動が変わることの間にはとてつもなく深い溝が横たわっているからです。
ただし、研修によって意識を変え、その後のフォローによって行動を変えた事例ならありますのでご紹介しますね。
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