株式会社ファイブスターズ アカデミー
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将来AIが進化してもなくならないであろう、下っ端コンサルタントの「足で稼ぐ」仕事とは一体どんなものでしょう。
その前に、ちょっと意外な結果となったアンケート調査を紹介します。
「あなたは小型カメラが搭載された携帯電話を購入したいと思いますか?」という質問に、
「購入したい」と答えたのは半数を少し超える53%しかいませんでした。
逆に「購入したくない」は、47%。
反対の理由は「ストーカー行為になる」、「悪いイタズラが増えそう」、「必要性を感じないし、機能的に無駄」などです。
アンケート調査というのは、マーケットのニーズを探るツールとして非常に有効なものと誰もが信じています。
そして今では、ウェブ・マーケティングの会社に依頼すれば、どんなジャンルの調査でも数日でデータを得ることができます。
しかし、この事例を見る限り、表面的なデータからではなかなか真実が見えてこないことがわかりますよね。
では、もっと深いところまで掘り下げるにはどうしたらいいのでしょう。
このメーカーは、レギュラー・コーヒーと間違えるほどの本格的味わいの新商品を開発しました。
すると今度は、レギュラー・コーヒーといい勝負になります。
そこで採用されたのが「ゲス・フー・テスト」。
回答するのは、50人ずつの2つのグループ。
すると、レギュラー・コーヒーが記載されたリストを見せられた人たちからは、
「食後のことまで考えている、思いやりのある主婦」という好意的な意見が出ました。
一方、インスタント・コーヒーの方はというと、「手抜き主婦」という声が多く聞かれるではありませんか。
質問紙による調査で「おいしくない」という回答が多かったのは、本当にそう感じていたからではななく、
「手抜きと思われるのが嫌」という深層心理が働いていたからでした。
そう言えば2009年12月に、パコ・アンダーヒルのマーケット調査の話をしました。
彼の調査手法は、実際の売り場で買い物客のすぐ後ろを尾行しながら、その行動の一挙手一投足を記録するというユニークなものです。
一体何を調べているかというと、客が店の中をどのようなルートで回遊したかとか、どの商品に視線をやり、どの商品に視線をやらなかったかについてです。
これにより商品棚のレイアウトの問題や、どこにPOPを掲示すべきかが浮き彫りになるのです。
日本の家電量販店に隠しカメラを設置したケースでは、消費者の謎の行動がいくつか記録されていました。
ドラム式が発売される前の洗濯機売り場で観測された謎の行動とは、フタを開けて洗濯槽を覗き込むというものでした。
ほとんどの買い物客がこの行動をとり、ひどいときには洗濯機の価格がいくらなのかわからないと怒って帰ってしまった客もいました。
価格はフタの上にあるPOPに、デカデカと書いてあったのに・・・。
デジタルカメラの場合は、男性と女性では行動が違うことがわかりました。
男性はカメラを構えてファインダーを覗き込んだり、シャッターを切ってみたり、さらには撮った映像を確認したりといろいろ使い勝手を確認します。
ところが女性の場合は、男性には見られないある行動をとるというのです。
それは、ファインダーとは反対方向、つまりレンズのある方向からもカメラを眺めるという行動です。
それは、カメラを構えた自分が、写される相手からどう見られているかを確認している行動だったのです。
こんなデータは、まさに現場に足を運ばない限りわかりませんよね。
このように下っ端コンサルタントの仕事というのは、表面的なデータ分析からはわからないけれど、マーケティング上きわめて重要な要素を炙り出すことです。
AIの強みは膨大なデータを学習し分析していく点にありますが、そのデータの集め方をどうするかという点に関しては、まだまだ人間の方にアドバンテージがあるように思います。
「将来なくなる仕事」が何かなんて誰にもわからないし、おそらくAIでさえ予測できないでしょう。
でも、確実になくなる仕事がひとつわかっています。
今現在、世の中がどうなっているかを知らなくても勤まってしまう、経済学部の教授という仕事です。
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