株式会社ファイブスターズ アカデミー
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2016年12月のブログ『長所なんてないよ』で、潜在能力についての仮説を書きました。
それは、もともと人間の潜在能力は全員平等に与えられていて、
ダスティン・ホフマン主演の映画、『レインマン』で知られるようになった「サヴァン症候群」という病気があります。
しかも、「82」を3回繰り返して246本であることを告げるという奇妙なものです。
サヴァン症候群の人の中には、計算や描画の能力がずば抜けて高い人もいます。
1967年、イギリスに生まれたウクライナ移民の子供、ナディアもそうでした。
5才の時のIQは3才児並みと診断されますが、描画能力が飛び抜けて優れていました。
しかも、普通は馬の全体像を大まかにデッサンしてから細部を描き上げるのですが、
彼女はいきなり脚や鬣(たてがみ)といったパーツからバラバラに描き始め、
最後にすべての線を繋げて完成となるのだそうです。
このようなサヴァン症候群の人の脳を調べたところ、
その能力を発揮しているときは、前部側頭葉の働きが極端に鈍っていることがわかりました。
ではこの前部側頭葉という部位は、一体何を司っているところなのでしょうか?
と言うことは、言葉を覚えることが、超人的能力の発達を妨げている原因と言えるかもしれません。
2004年、南オーストラリアのフリンダース大学のヤング博士が
この説を検証しようとして行った実験はなんとも荒っぽいものでした。
健常者の前部側頭葉を、強力な磁気刺激装置でマヒさせたのです。
もちろん、安全性については万全の配慮がされていたのでしょうが、私なら迷わず拒否します。
マヒしている間は当然言葉は話せませんが、なんと17人中5人が記憶力や描画力、計算力がアップしたというのです。
どうやら言葉が犯人のようです。
私たちの祖先は、生き延びるために集団生活を選択しました。
その時、他人との意思疎通を図るために言葉を使う能力を最優先で発達させました。
なぜなら、コミュニケーション力こそが、
厳しい環境下でみんなで力を合わせて生き延びるために最も重要な能力だったからです。
その際、言語能力以外の超人的能力が犠牲になったのかもしれません。
しかし、言語能力をテコにして文明を進化させていった結果、
他人とあまりコミュニケーションをとらなくても、なんとか生きていける時代が到来してしまったのは皮肉なことです。
ところで、この結論は私にとってあまりありがたいものではありません。
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