株式会社ファイブスターズ アカデミー
まずはお気軽に
お問い合わせください。
03-6812-9618
まずはお気軽に
お問い合わせください。
03-6812-9618
そう考えると、ビジネスは“疑似戦争”と言えるのかもしれません。
ビジネスが競争であることを、改めて思い知らされた実験があります。
復習の意味で、「最後通牒ゲーム」の内容をもう一度説明しますね。
今、胴元からAに1,000円が渡されたとしましょう。
Bにいくら渡してもいいのですが、Bがその分け前の比率の提案に満足できずに拒否してしまうと、
AもBもお金を受け取ることはできません。
つまり、Bがその比率の提案を承諾したときのみ、両方がお金を受け取ることが出来るのです。
もちろん、事前に相談することはできません。
この時のブログで触れたのはBの行動、すなわち分け前の提案を受ける側の行動についてでした。
具体的に言うと、何:何ならOKするかということです。
5:5だったら文句なくOKです。
6:4、つまりBの取り分が4割までならほぼ全員受け入れるそうです。
さて、今回紹介するのはAの方、すなわちお金の分け前比率を提案する側に関する研究です。
2003年、エアラン・ケイ、クリスティアン・ホイーラーらが調べたのは、
Aが何:何かの比率を決める際、その意思決定にどんな要因が影響を与えているかということです。
まず、このゲームを行う前に、ちょっとした作業をやってもらいます。
シートの左側には様々な写真、右側には語群が掲載されています。
この時、作業するグループを二つに分けます。
一方、もう一つのグループには、「ペン」、「書類鞄」といったビジネスに関係するものばかり載っています。
最初のグループ、すなわちビジネスと無関係な写真を見せられたグループでは、
5:5の割合で提案した人は93%いました。
ところがもう一方のグループ、すなわちビジネス関連の写真に晒されたグループの場合は、
5:5で提案した人は33%しかいませんでした。
これはどういうことでしょう?
「ビジネス」関係のものを目にしただけで、私たちの潜在意識の中に
「勝ち負け」といった競争意識が生まれてしまったと考えられます。
それがいいとか悪いとかではなく、人間とはそういうものなのです。
そもそも「競争」とは、決して悪い事ではありません。
今考えるべきことは、競争のない社会を作ることではありません。
そのためには、絶対必要なしくみがあります。
これを経済学用語で「所得の再分配」と言い、一般には累進課税制度や社会保障制度のことを指します。
今、アメリカを始めとする多くの国で起こっていることは、極端な富の偏在です。
第二次世界大戦以降、世界はその反省から、「競争」のエネルギーを戦争ではなくビジネスの方へと向かわせました。
しかし、ここ10数年に限って言えば、成長エンジンの原動力は、
“Winner takes all”という富への欲望だったのではないかと思うのです。
その結果世界は、人類史上経験したことのない極端な格差社会に突入してしまいました。
ジョセフ・スティグリッツは、こう言っています。
「経済理論が示唆しているのは、グローバリゼーションによって皆が勝者になるということではなく、
経済全体としてはプラスになり、したがって勝者は敗者の損失を補填してもなお
余りある利益を手にすることができる、ということだ」
大切なのは、競争をなくすことではありません。
初めての方へ|研修を探す|講師紹介|よくある質問|会社案内|お知らせ|お問い合わせ|サイトのご利用について|個人情報保護方針
© FiveStars Academy Co., Ltd. All right reserved.