株式会社ファイブスターズ アカデミー
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アメリカは、富裕層が支配する閉塞感に満ちた社会体制をこのまま維持する者を選ぶのか、
それとも体制をぶっこわしてくれそうな狂暴な破壊者を選ぶのかという、究極の選択を迫られたわけです。
クリントンが勝てば、生活は相変わらず苦しいままで、必死で稼いだお金はウォール街に横取りされるだけ。
当初は泡沫候補と見られていたトランプを、モンスターにまで育ててしまったのは一体何だったのでしょうか。
今、世界の人口は72億人を超えていますが、
下位36億人の人々の資産の合計は、世界で最も裕福な62人の保有資産とほぼ同じです。
36億人は、世界人口のちょうど50%にあたります。
これが釣り合うということ自体、人類史上例を見ない「富の偏在」が起こっていると言えましょう。
ついに人類は、いまだかつて経験したことのない極端な「格差社会」に突入しようとしているのです。
当初トランプを支持していた人達は、「プア・ホワイト」と呼ばれる貧しい白人たちでした。
しかし、この定義は完全に誤っていました。
ハーバードでMBAを取り、ウォール街に就職すれば、1年目から数千万円の報酬をもらうことも夢ではありませんが、
学費が年間800万円かかります。
つまり、フツーの大学を出たところで安い賃金の仕事しかないのです。
今回は、低学歴のプア・ホワイトも高学歴のプア・ホワイトも、
さらに言えばトランプ政権下では最も弾圧を受けるであろうプア・ノンホワイトでさえもトランプに票を投じています。
これは一体どういうことでしょう。
2011年9月、ウォール街を占拠した若者たちのスローガンは、“We are the 99%”でした。
サンダースの政策の一部を引き継いだヒラリーは、
1%の富裕層からごっそり税金をふんだくって貧しい99%に分配しようと主張しましたが、
アメリカ国民はそれにさえNOを突きつけました。
トランプはそんなことするはずがありません。
あの、小学生が考えたような経済政策によってプアな人々が豊かになる可能性は、
トランプが共和党の候補に名乗りをあげた時の当選確率くらい低いと思われます。
アメリカの選択が正しいかったのかどうかは誰にもわからないことですが、
トランプが当選したことの唯一のメリットは、
暴力革命の引き金となりかねない暴動の可能性が低下したことではないでしょうか。
しかし、トランプにとって、それは逆に大きな危険性を孕んでいるとも言えます。
翻って、日本の格差はどうでしょう。
日本では1億円以上の資産をもつ人が212万人います。
人口の1.6%を占めます。
アメリカで起こったことが、日本で起こらないという保証はどこにもありません。
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