株式会社ファイブスターズ アカデミー
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まず、幼稚園児を、机と椅子しかない部屋に通します。
机の上には皿があり、マシュマロが一個だけ載っています。
「私はちょっと用がある。
マシュマロは君にあげるけど、私が戻ってくるまでの15分間、
食べるのを我慢できたらマシュマロをもう一つ君にあげる。
残された子供たちの様子は、隠しカメラで記録されました。
結局、大半の子供は誘惑に勝てずに食べてしまいます。
当初、「自制心」の研究でしかなかったこの実験が、驚くべき意味を持つことが判明するのは
それから18年後のことです。
一つ目は、子供の時の自制心がその後もずっと継続していること。
そして二つ目は、マシュマロを我慢できた子供たちの方が、周囲の人から高い評価を得ているケースが多いことです。
これから分かることは、将来のことを考えて、今の辛い状況に耐えることのできる人が、成功する確率が高いということです。
そこで、ミッシェルはこう結論づけました。
「将来のIQに影響を与えるのは、子供の頃の自制心である」と。
さらにその23年後にも追跡調査が行われ、この傾向がなおも継続していることが確認されます。
ところで、その自制心とやらは、どうやって身につければいいのでしょう。
マシュマロをじっと見つめたり、なでたりする子供はみんな我慢できませんでした。
これをもう少し詳しく分析してみましょう。
これを一言でいうと「自分が何を考えるかを考える」ということです。
もうちよっとわかりやすい専門用語でいうと、あのお馴染みの「メタ認知」ってヤツですよ。
つまり「メタ認知」こそが、長期的報酬のために短期的報酬を我慢するコツなのです。
似たような実験を、もう一つ紹介しましょう。
あなたは、①か②のどちらかを選べます。
①今すぐ5000円もらえる
ほとんどの人が①を選びました。
①5年後に5000円もらえる
さっきとは逆に②の方が多くなりました。
これは行動経済学で「双曲割引」と呼ばれるものです。
この話を会社に置き換えてみましょう。
でも、今年度の5000万と、来年度の1億だったらどうでしょう?
ちなみに、会社の経営は安泰で、来年度の1億円も絶対確実だと仮定します。
例えあなたが来年度の1億を選んだとしても、あなたの上司はそれを許してくれますか?
もし、来年度まで我慢するとしても、その間に自分が異動してしまえば、1億円の売り上げは後任者の手柄となってしまいます。
でもこれでは、マシュマロを我慢できなかった子供と同じではありませんか。
たしかに企業というものは、今年度の利益を最大化することを目指しています。
しかし、目先のマシュマロを追い駆け続けるということは、自転車操業と紙一重です。
どこの会社にも「中期計画」という“絵に描いた餅”が飾られています。
すなわち、今現在大きな利益を稼ぎ出しているビジネスモデルからあえて目を逸らし、
5年後に大きな収益をもたらしてくれるビジネスモデルとは何かを考えて、
そのために今何をするべきかを考えることです。
幼稚園児の場合は18年後に大きな差となって現れましたが、
会社の場合はそんなに長くかかりません。
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