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5☆s 講師ブログ

会社の中で偉くても

Jリーグチェアマンの村井満のユニークな発想の原点は、かつて勤務していたリクルートにありました。

彼はリクルートの本質を、「変化」であると断言します。

あなたの会社の本質は何ですか?

間違っても「変化」ではありませんよね。
変化しているのは、会社を取り巻く環境の方です。

環境が激変しているにも関わらず、伝統的なビジネスモデルを踏襲している企業はヤマほどあります。

いや正確に言うと、社長が退任するまでの何年間かだけ、伝統的なビジネスモデルが維持できればそれでよいのです。

そこには、10年後や20年後といった長期の視点は欠落しています。

なぜなら、その時には「自分はもういない」からです。

企業が変わらなければならないことは、全社員が自覚しています。

しかし、ある一定の年齢を超えた社員にとっては、その変わるべき時とはあくまで自分の退職後というイメージなのです。

でも考えてみると、環境が激変しているのに、企業が変化を先送りにしているというのはおかしな話ではありませんか。

では、変化を恐れない企業風土というのは、どうやったら作れるのでしょうか。

そのヒントもリクルートにありました。

かつてリクルート社内の至る所に、こう大書されたポスターが貼られたことがあります。

「リクルートのなかで偉くてもしょうがなかったりして」

もしあなたの会社でそんなポスターが貼られたら、一体どうなるでしょう。

会社の中だけでしか偉くない「お偉いサン」たちが、大激怒するのは火を見るより明らか。

社外で通用するかどうかわからない知識やスキル。

でも、社内では間違いなく効果を発揮する姑息な処世術。
他流試合など全くない、社内限定の出世レース。
純粋な社内ドメスティック基準による人事考課体系。

変化を恐れない企業風土の醸成というのは、まずこれらにメスを入れることから始めなければならないのです。

大変なことですよね。

でも、現代は激動の時代。
社内だけに通用する「内向き」人材では、この変化は乗り切れません。

そろそろ社内弁慶ではなく、社外にも通用する人材にスポットライトを当ててみてもよいのでは・・・。

そうは言っても、社外に通用する人材なんて、一体どうやって育てたらよいのでしょう?

そのヒントになるかもしれない、興味深い調査があります。
Jリーグの選手たちを対象に行ったものです。

10年前にプロ入りした選手たちの中には、今でもJリーグの第一線で活躍している選手がいます。
岡崎や本田など海外で活躍している選手さえいます。

一方で、長続きせず短期間で姿を消した選手もいます。
これらの選手をそれぞれ分類し、一体どこが違っていたのかその特性を調べたのです。

すると、活躍する選手には顕著な2つの特徴があることがわかりました。

それは、「傾聴力」と「主張力」だったそうです。

人の話にしっかり耳を傾けた上で、自分自身の考えを固める。

そして、相手が誰であろうとそれを堂々と主張する。

他にも面白い調査があります。

海外のベンチャー企業が開発した、プロチームの育成能力診断プログラムを、Jリーグにも実施したのです。

多くのチームで、ほぼ0点だった項目があります。

もしかしたら、それが世界との差なのかもしれません。

その項目とは、「オーナーシップ」です。

オーナーシップとは、例えば選手が自発的に、

「次の対戦相手はこういう戦術でくるから、こんな練習をしておいた方がいい」
という提案をすることです。

この点数が圧倒的に低いということは、監督やコーチから指示されたことはキチンとやるけれど、
選手自身が自分の頭で考えて工夫することはほとんどないということです。

まさに、一般企業と同じではありませんか。

PDCAの真ん中にMを置くとか、企業風土を変えていくことは大変なことですが、

まずは「傾聴力」とか「主張力」、あるいは「オーナーシップ」を意識することから始めませんか。
結果的にそれが、社内弁慶ではない、グローバル人材の育成につながるかもしれません。

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