株式会社ファイブスターズ アカデミー

次に、その女性と直前に会った他人が話す、「自分が会った女性の顔の特徴」を基に描きます。

その後女性本人は、出来上がった２枚の絵を見せられるのですが、その時あることに気づくのです。

それは、自分では短所だとばかり思いこんでいた特徴が、他人から見ると決してそんなことはないということです。
これにより彼女は、自分の本当の美しさは何かを考え始めるというストーリーです。

「あなたは、自分が思っているより美しい」という事実に消費者が気づき、
よりポジティブな思考になって化粧品を買ってくれることを狙ったユニリーバの目論見は、
まずは大成功と言えるでしょう。

この、自分では欠点と思い込んでいたものが、他人から見るとそうではなかったという事実は、
私にはとても示唆的なものに思えてなりません。
どういう事かというと、自分の顔の特徴だけでなく、ビジネスにも当てはまるのではないかと思うのです。

ビジネスパーソンなら誰でも、自分にはこの能力が不足していると自覚していることが、
ひとつやふたつは必ずあるものです。

しかし、はたして本当にそうでしょうか？
周囲の人も、あなたと全く同じ意見でしょうか？

もしかしたら、あなただけがそう思い込んでいるだけかもしれませんよね。

自分のことは、案外分からないものです。
自分が知っているあなたと、他人の目に映っているあなたとは、往々にして違っていることが多いのです。

俯瞰により自分を客観視する事を、認知心理学では「メタ認知」と言います。

私はもっとわかりやすく、「幽体離脱」と呼んでいます。

似顔絵捜査官は、他人の目を通してその人の特徴を把握します。

この「他人の目」こそ、最も正確に事実を捉えているのです。

ビジネスの世界でも、「他人の目」は極めて重要です。

あなたは、「他人の目」という視点で、自分を客観視したことはありますか？

あなたと一緒に仕事をしている人たちの目には、あなたは一体どのように映っているのでしょう。

彼らがあなたに対して、「ここを改善してほしい」と思っていることとは、一体どのようなことでしょう？

もしかしたら、あなたが思っていることとは、違っているかもしれません。
それを考えることは、あなたにとって絶対にプラスになるはずです。

実は先日、「メタ認知」で自分を俯瞰することによって、大変なことに気づきました。

理髪店で、後頭部のカット具合の確認のために、鏡を使って後頭部を見せてくれたのですが、
なんと頭頂部が薄くなりかけているではありませんか！

恐るべし、メタ認知。
己の本当の姿を知ることが、これほどまでに気持ちを凹ませるとは！

今回は、自分の「短所」を知るには他人の目が大事だという話をしました。

しかし、「長所」の場合はちょっと事情が違います。