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5☆s 講師ブログ

頭のよくなる薬

今回は、『IQ遺伝子』(2009年6月)や、『IQを高める食事』(2009年7月)の続編です。

有力なIQ遺伝子が見つかりました。
それは、delta-6 desaturase(Δ6不飽和化酵素)という、体内の不飽和脂肪酸を増やす酵素の遺伝子です。

不飽和脂肪酸というのは、健康食品のCMでお馴染みのDHAとかEPAとか言う奴です。
この遺伝子を持っている人は、不飽和脂肪酸をたくさん作ることができるのです。

ということは、この遺伝子を持っていない人は、いくら青魚を食べても効果ないってことでしょうか?
あるいは、だからこそ食べなければならないということ?
いずれにせよ、これからの研究でその辺が明らかにされると思います。

でも、たとえその遺伝子を持っていなくても大丈夫!
頭のよくなる薬があるのです。
この話のネタ元は、“東大の超人気講義”でお馴染みの石浦章一。
2009年のIQ関係ブログの時も、ネタ元は彼でした。

あの東京大学でさえ、学生の興味を引きつけるために、
これほどまでに工夫を凝らした授業が行われているとは本当に驚きです。
全国の、クソつまらない講義をしている大学教授は、全員猛省すべきです。

本題に戻りましょう。
アメリカでは、記憶力を向上させる薬としてリタリンが発売されています。

もともとはADHDの子どもの集中力を増すための薬でしたが、
そんなに効果があるのなら健常者にも効くだろうということで処方されるようになりました。

しかし、分子構造が覚醒剤に酷似しているため、日本ではナルコレプシーという“眠り病”患者以外には処方されません。
他に、アルツハイマー病の薬のドネペジルなども、頭のよくなる薬として期待されているそうです。

驚くべきことに、アメリカでは外国語がよくできるようになる薬や、ピアノがうまく弾けるようになる薬も認可されています。
しかし、こうなってくるとドーピング問題も出てきますよね。
そのうち、入学試験でもドーピング検査が行われるようになるかもしれません。

それだけではありません。
逆に、頭が悪くなる薬もアメリカでは認可されています。

頭が悪くなるってどういうことかというと、記憶力が低下することです。
なぜ、そんな薬が必要かと言うと、PTSDなど忘れてしまいたいことがある時に便利なのです。
ただ、嫌な記憶だけでなく普通の記憶まで消えてしまう可能性もあり、確率は五分五分だそうです。

ところが最近、高血圧の患者に処方される降圧剤の中に含まれている、
βブロッカーという薬を飲むと嫌な記憶がなくなるという論文が出ました。

実は私も、この薬を飲んでいます。
もしかしたら、私の記憶力の悪さはこの薬のせいではないでしょうか。
さらに研究が進めば、私の無実が証明されるかもしれません。

しかし、いくら医学の進歩とは言え、なんでもかんでも薬に頼ってしまってよいものでしょうか。

その答えとも言える研究があります。
知的障がいがあり、暴力を振るう傾向のある子どもたちの治療研究で、衝撃的な報告がなされました。

非常に暴力的な大人を鎮めるための薬というのがあります。
ハロペリドールとか、リスペリドンという薬です。
これらをこの子どもたちに与えて、効果があるかどうかを調べてみました。

このような治験の際は、たいていプラセボを併用します。
プラセボとは「偽薬」のことです。
文字通り「偽物の薬」で、医学的には全く効果のない小麦粉とかブドウ糖を、薬だと偽って患者に与えます。

このプラセボを与えたグループと、本物の薬を与えたグループを比較対照して、
はじめて薬の効果がはっきりわかるというわけです。

しかし、プラセボを使った治験には常に困難が伴います。
それは、プラセボ投与群なのに病状が改善されてしまうという、実に不可思議なケースが結構出現するのです。

なぜ、こんなことが起こるのでしょう。
理由は、人間が本来持っている自然治癒力です。

私たちは薬を全く与えられなくても、身体が本来持っている免疫力などを駆使して病気を治すことができるのです。
すべての病気が完治するわけではありませんが、私たちは生まれつきそのような能力を持っています。

プラセボは、このスイッチを入れてしまうのです。
結果、薬のおかげで治ったのか、本人の免疫力で治ったのか、よくわからないという事態に陥ります。

例えば、本物の薬を処方する時の医者の態度が自信満々に見えたりすると、それだけで治験の結果が変わってきます。
ですので、最近は「ダブルブラインド法」といって、どちらが本物の薬であるかは、投与する医者にも知らせないようにしています。

さて、今回の結果はどうだったかというと、ハロペリドールもリスペリドンも明らかに効果がありました。
暴力を振るう回数が減ったのです。

しかし、多くの薬に共通することですが、薬の効果というものは次第に薄れていきます。
おそらく、薬に対する抵抗ができてしまうのだと考えられています。

一方、プラセボの方はどうだったかというと、実は長期間に渡って効果がありました。
なんと、全体を通じて最も効いた薬はプラセボだったのです。

これはどう解釈したらよいのでしょう。

外部から投与される薬剤に対しては、次第に抵抗力ができてしまいますが、
もともと自分の体の中にある免疫力に対しては、なかなか抵抗ができにくいと考えるしかありません。

もしかしたら、私たちの潜在能力は、想像を遥かに超えるほど大きいものなのかもしれませんね。

薬の話ではありませんが、心理学では『ピグマリオン効果』というのが知られています。
ある小学校に、有名な心理学者という触れ込みの男が訪問し、クラスの名簿を見てはランダムに
「この子は天才だ」とか、「この子のポテンシャルはすごい」などと適当に話します。

いい加減な話ですよね。
ところがその1年後、指名された子どもたちの成績は、本当に素晴らしいものになりました。

偶然ではありません。
詳しく調べてみると、秘密は先生の態度にありました。

先生自身は、あくまで全員に公平に接しているつもりでしたが、
指名された子どもには、無意識のうちに「期待している」という態度が出てしまったのです。
この「期待している」というメッセージこそ、自己成長のスイッチをオンにしてしまうきっかけだったのです。

プラセボも、医者が自信満々の態度で処方したりすると、患者の免疫力は激しく反応してしまいますが、これと同じことが起こったのです。

態度だけでも効果があるのですから、はっきり口に出して伝えようものなら、その効果はマックスとなるでしょう。
自己成長するスイッチも、自分で病気を治すスイッチも、すべてその人の心の中に内在しているのです。

あなたも、部下に「期待している」ということを口にしたり、態度で示してみませんか。
部下のスイッチをオンにできるのはあなたしかいないのですから。

ところで私も、明日から頭がよくなるスイッチを探してみようかなと思います。
でも、もしなかったらどうしよう。
よく考えたら、モノ覚えが悪いのは高血圧になる前からでした。

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