株式会社ファイブスターズ アカデミー
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思い込みというのは誰にでもあるものです。
ビジネスではロジカル・シンキングが絶対必要だと言いながらも、
結構非ロジカルな根拠で判断してしまっていることはありませんか。
有名な人事コンサルタントが講演で紹介したエピソードを聞いて、思わず笑ってしまいました。
新卒の採用がようやく終わり、さあこれから配属先を決定しなければという段階になって、
人事部門は頭を悩まします。
特に、花形部門への配属を誰にするかは大問題です。
優秀な人材を送り込まないと、部門長からクレームが来るかもしれません。
ところが、この人事部長には秘策がありました。
まず、回転寿司店で内定者の懇親会を開催します。
そのとき、ある特定のネタを食べた学生が優秀人材なのだそうです。
彼によれば、代々の内定者を観察したところ、優秀な学生は例外なく「エンガワ」を注文していたとのこと。
2013年12月に、『裏切り者検知アルゴリズム』という心理学の理論を書きました。
元FBI行動分析課のプロファイラーでサイコパス研究の第一人者、ケヴィン・ダットンの本で見つけました。
ぜひ、チャレンジしてみて下さい。
今、4枚のカードがあります。
【問題】この時、「カードが偶数の数字なら、その裏の色は赤でなければならない」
というルールが成立しているかどうかを確かめるには、どのカードをひっくり返せばよいですか?
「3」と「赤」と答えた人、おめでとうございます。
しかし残念ながら、正解者のグループに入ることはできませんでした。
ちなみに、イギリスの大学での実験では、この手の問題の正解率は4%しかなかったそうですのでご安心ください。
もし、「3」のカードの裏が「赤」だったとしたらどうでしょう。
「偶数の裏が赤」とありますが、奇数の裏については何も言っていませんよね。
ということは、赤でもいいことになります。
だから、「3」の裏が「赤」であってもルールには違反していません。
間違えてはいけないのは、「偶数の裏が赤」というルールは、
「赤の裏が必ず偶数」という意味ではないということです。
一方、「8」という偶数のカードの裏が赤以外だったら大問題です。
同様に、「茶」の裏が偶数だとこれも大問題です。
おわかりいただけましたか。
部長の中では、このようなルールが成立しています。
いや、ご異論があるのは十分承知しています。
仮に内定者が20人いるとしましょう。
しかし、エンガワを注文したのはこの人だけでしょうか。
つまり、「優秀な者はエンガワを注文する」というルールは、
「エンガワを注文する者は必ず優秀だ」という意味ではないのです。
でも、人事部長の法則はすぐに誤りだと気づきますが、カードの話はなかなか正解がわかりませんでした。
例えば、「エンガワ」を「勉強家」とか「積極的」といった言葉に置き換えてみてください。
もっと言えば、管理職の数だけ『○○理論』が存在するかもしれません。
世の中に氾濫するビジネス書という名の『出世指南書』には、もれなく「上司に好かれなさい」と書いてあります。
日本の人事制度において、上司の“ヒキ”は、昇進に多大な影響を与えます。
最近は、このような弊害を避けるため、人事考課までAI(人工知能)で行う企業まで出てきたそうです。
私は一刻も早く、客観的で科学的な人事理論が確立されることを望みます。
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