株式会社ファイブスターズ アカデミー
まずはお気軽に
お問い合わせください。
03-6812-9618
まずはお気軽に
お問い合わせください。
03-6812-9618
キャリア研修でよく目にするのが『キャリア・アンカー』という言葉。
別の言い方をすると、最も犠牲にしたくない価値観や欲求のことでもあります。
これを提唱したエドガー・シャインは、『キャリア・アンカー』を以下の8つに分類しました。
かつて私がキャリア研修を受講する側だったとき、
それよりも、強い違和感を覚えたのは、所詮どれを選んだところで、
③の『安定性』というのは、社員にとってはわざわざ選択するものではなく、
そもそもの大前提と考えていることです。
学者が作った机上の理論を雁首揃えてお勉強したところで、
私の人生にとって何か意味があるとは思えませんでした。
落としどころのはっきりしない研修が、「リストラに向けてのジャブじゃないの?」
という疑心暗鬼を呼び起こすのに、さほど多くの時間は要しませんでした。
かくして『キャリア研修』は“取り扱い注意”の不名誉な烙印を押され、
翌年の研修計画ではいったん棚上げにされてしまった企業もありました。
確かに『キャリア』というカタカナが登場したのは、リストラと同じ時期。
社員の間で、いわれなき警戒の対象となったのも無理からぬことでした。
それでも最初のうちは、流行語大賞的な勢いがありました。
まず人事部が、その意味もよく咀嚼できないうちに、まるで“はやり病”のように飛びつきます。
大学では、『キャリアデザイン学』なる正体不明の学問が脚光を浴びました。
かくして一大ブームを巻き起こした『キャリア』なるカタカナ語は、
ウソだと思うなら、周りの人に『キャリア』の定義を質問してみてください。
どうです?
仮に『職歴』と定義すると、『キャリア研修』は『職歴研修』と読み替えられますが、
これってどんな内容?と思いますよね。
今回は、この数奇な運命を辿った『キャリア』という言葉について考察してみます。
そもそもシャインが、『キャリア・アンカー』について8つの“ゲス”な分類をしてしまったことが、
シャインがこの研究を始めたきっかけは、朝鮮戦争の頃にまで遡ります。
この違いは何なのでしょうか。
戦後、シャインは巨大企業のGEを対象に研究を行うのですが、ここでも奇妙なことに気づきます。
一般に企業というものは、従業員に経営理念を徹底しようとします。
なんと研修所の通称は「GEインドクトリネーション・センター」。
凄まじいですよね。
「研修は洗脳のためにある」と宣言しているようなものです。
ところが研究を進めるうち、組織のイデオロギーに簡単に染まる人と、染まらない人がいることがわかりました。
そこで一人ひとりをよく観察してみると、それぞれ個人として貫いている何かを持っていることが浮き彫りになってきました。
大変な思い違いをしていました。
シャインの間違いはここにあります。
簡単に洗脳されるような人の方まで親切に分析して、ご丁寧に8つに分類してあげる必要などなかったのです。
ようやく、『キャリア研修』を受講した時の違和感の原因がわかりました。
まずは、洗脳されそうなギリギリの場面でも決して揺るがない、働く上での信念のようなものは何か?
しかし、このことはかなり難しい問題を伴います。
働くことの信念と、実際に収入を得るために就いた職業の理念とが、
うまくマッチングしていなければならないからです。
また、別の問題も存在します。
もっともらしい、キレイゴトの経営理念を掲げてみたところで、所詮営利企業は利益を出せるかどうかが勝負です。
そもそも、本当に崇高な経営理念であるならば、
わざわざ全員で唱和したりして洗脳しなくてもみんな従うはずではありませんか。
問われているのは私たちの信念と、会社の経営理念の“アンカー性”の両方なのです。
キャリア研修が不幸な運命を辿った原因は、その問いかけが一方にしかなされなかったことです。
キレイゴトを並べたところで、とどのつまりは利益至上主義が企業の本音だというならば、
しかし、信念なき利益追求型経営の先に待ち受けているのが何なのかは、
毎日のように新聞紙上を賑わせている企業不祥事が教えてくれています。
働く側も経営側も、共に信念の“アンカー性”を考えるような内容でなければ、
初めての方へ|研修を探す|講師紹介|よくある質問|会社案内|お知らせ|お問い合わせ|サイトのご利用について|個人情報保護方針
© FiveStars Academy Co., Ltd. All right reserved.