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5☆s 講師ブログ

課長の悩み

産業能率大学が2年に一度の割合で、上場企業の課長を対象に意識調査をしています。
ネットに2013年度のダイジェスト版がアップされていますので、少し見てみましょう。

多忙を極める現代ビジネスでは、管理職といえどもプレイングマネージャーとして
働かざるを得なくなっていますが、プレイヤーの割合が51~100%、
すなわち業務の半分以上を占めると回答した課長は、全体の48.2%もいました。

つまり課長の約半数は、マネジメント業務よりプレイヤー業務の方がウェートが高いというわけです。
その2年前の2011年度の調査ではこの割合は40%でしたから、
「マネージャーのプレイヤー化」の波はかなり早い速度で押し寄せているといえます。

これほど多忙であるならば、課長の悩みのトップは、
当然「業務量が多く余裕がない」だと思ったら大間違い。
これは第二位(37.8%)でした。

堂々トップに輝いたのは、「部下がなかなか育たない」(41.8%)でした。
しかもこれ、2年前は30%以下でしたから、まさに赤マル急上昇ですよね。

反対に減っているのもあります。
第4位の「部下の人事評価が難しい」は急激にダウン(32.9%→21.7%)。

これは一体どういうことでしょう?
人事考課のやり方が簡単になった?
そうは思えないので、できる部下とできない部下の差がはっきりしてきたと解釈した方が良さそうです。
ちなみに、第3位(22.8%)は、おなじみの「上司と考え方や意見が合わない」でした。

以上の結果から、典型的な課長像をイメージしてみますね。

課長は極めて多忙です。
なぜなら、1日のうち半分以上はプレーヤーとして仕事をしているからです。

どうしてプレイヤーの仕事をしなければならないかというと、
部下の中に仕事のできる部下とできない部下がいて、できない方が足を引っ張っているからです。

本来課長の仕事は、できない部下を一人前に育てることですが、一方で納期は待ってくれません。
そのため、仕事のできない部下の分をカバーしようとして、プレイヤーの仕事をせざるを得ないのです。

この弊害が思いも寄らない問題を引き起こします。
それは、2年前に比べて「課長職を降りてプレーヤーに戻りたい」という人が増えていることです(9.6%→13.5%)。
さらに巷の噂では、管理職になりたくないという人が急増しているとも聞きます。

やっていることは一般社員と大して変わらないのに、責任だけが重くなり多忙感がより一層強くなる。
しかも残業手当はつかないし・・・。

そこで、多くの課長は手間のかからない部下、
いわゆる“自律自転”してくれる部下の配属を熱望しますが、人事部だって無い袖は振れません。

でも考えてみると、私自身もそうでしたが、昔から仕事のできない新人は大勢いました。
なぜその頃は、今ほど問題にならなかったのでしょう。

その謎を解くヒントは、課の組織体制にあります。

バブル崩壊以降、人件費削減の一環として、多くの会社が係長や主任という役職を廃止しました。
これにより日本の伝統であったピラミッド型の組織図は崩壊し、
課長一人が組織全体を見るという文鎮型に変わったのです。

ところが、この係長や主任という役職には重要な意味がありました。
小人数の組織なので、キメ細かな指導が可能です。
さらには育成責任が明確なので、管理職見習い的なステージでもあります。
ですので、将来の課長候補としての自覚も生まれます。

かつてある大手自動車メーカーで、入社試験の点数とその後の出世度合いの相関を調べました。
すると驚いたことに、全く相関関係が認められませんでした。

では、出世は一体何と相関があったのでしょうか。

それは、若い頃仕えた係長が優秀だったかどうかでした。
部長が優秀でも、課長が優秀でもダメなのです。
すべては直近のリーダーがお手本とすべき人物かどうかなのです。

あなたも、頼りになる片腕をリーダーに任命して、部下育成の一部を任せてみませんか?
ちなみに役職手当など心配する必要はありません。
例え金銭的な報酬がなくても、人は役割を与えられるとイキイキ働くという心理学のデータは山ほどあります。

経営学では、一人の管理職がマネジメントできる最大数は、概ね6人ということになっています。
一人の課長が大勢をマネジメントする文鎮型の組織は、そもそも理にかなっていないのです。

小さなピラミッドの数が多いほど、リーダー意識を持つ人が多くなります。
この体制の方が部下育成にも有利だし、
コンプライアンス徹底のためにガバナンスを利かせるのにも有効なはずです。

いかがですか?
あなたの会社では、課長職は魅力ある職制ですか?

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