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5☆s 講師ブログ

浪花節マネジメント

日本とアメリカでは、マネジメント方法にどんな違いがあるのでしょうか。

以前、邦銀と外資系の銀行の両方に勤めたことがあるという人の話を聞いたことがあります。

すると、本社の頭取や役員を支店に呼んで、取引先を招待したパーティーのときに顕著な違いを感じたそうです。

パーティーそのものの運営ではありません。
終了後のことです。

まず邦銀ですが、これはパーティーが始まる前から緊張感が漂っています。

何せ本部から役員が来るのですから、もし万一粗相があったりしたら、
責任者が地方に飛ばされるのは火を見るより明らか。
どうしても招待客よりも、役員の一挙手一投足の方に目がいってしまいます。

やがてパーティーは無事終了し、二次会に向かった役員がたいそうご満悦であったとの吉報が届くと、

みんなの緊張感は一気に弛緩します。
一体、誰のために開かれたパーティーなのかと疑いたくなりますよね。

片や外資系銀行のパーティーはどうでしょう。

パーティー終了後に、役員から「全員残ってくれ」というメッセージが伝えられたそうです。
メンバーは、かつて経験したことのない緊張感に包まれます。
もしや、何か粗相があってご立腹なのでは?

不安を隠せない社員の前に現れた役員は、壁を背にして一列に並ぶように指示しました。

「えっ?まさかビンタ?」

不吉な考えが頭をよぎったとき、役員はおもむろに一番端の社員に近づきこう尋ねます。
「君の名前は?」

社員が「タナカ」と答えるや否や、

「ミスター、タナカ!君のおかけでパーティーは成功した!ありがとう!」
と言いながら彼の右手を両手で握り締めて力強い握手をしました。
壁に並んだ全員にこれを繰り返し、反省会は感動の嵐の中で終了したそうです。

意外にも、外資系のマネジメントは“浪花節”そのものでした。

なぜ、こんなことをするのでしょう。

その人の分析は、いたって簡単明瞭です。

曰く「タダだから」

かつての日本では、部下のモチベーションアップの秘策は“飲ミニケーション”でした。

上司が酒やご馳走を奢ってやることで、
「俺は部下を大切にしている」というメッセージを送って、人心を掌握していたのです。

ところが、時は流れ人の心は変わりました。

ある調査によると、新入社員が嫌うNo.1はパワハラで、その次が酒の誘いだそうです。

しかも、経費削減のあおりを受けて交際費などとうの昔になくなっています。

「ワリカン」などと来た日には部下の不満は大爆発。
嫌と言うほど説教や自慢話を聞かされた上、金まで払えというのはもうほとんど暴力です。

伝統的な飲ミニケーションは、日本という国がまだ貧しかった頃のマネジメント手法です。

部下が「上司は俺より高い給料もらっているのだから、酒でも飲ませろ」と主張していた頃の話です。
どうしても説教やら昔の自慢話をしたいのなら、ひとりウン万円の会席料理に連れて行くべきでしょう。

そんなカネはないけれど、どうしても部下と飲ミニケーションを図りたいという人は、以下の条件を満たしてください。

1.過去の自慢話はしない
2.失敗体験も話す
3.その体験から何を学んだかが結論

どうですか?

できそうですか?

分かってほしいのは、伝統的な飲ミニケーションによるマネジメントが大手を振ってまかり通っていた時代の方が、

実は異常事態だったということです。

ここはひとつ、認識をガラリと変えて、飲ミニケーションを若手による職場改善提案の場にしてみませんか。

日頃彼らが気になっている職場の問題点を自由に発言させて、
上司は一切反論せず、その背景にある風土やシステムという根本的な原因をあぶり出すことに専念します。

これならOKです。

みんな喜んで参加しますよ。

えっ?
それも嫌だって?

それなら残された方法はひとつしかありません。

飲ミニケーションを諦めて、明日から“浪花節”マネジメントを実践してみませんか。

あるビジネス誌のWEB版で、びっくりするような記事が掲載されていました。

日本では、例えば部下が作成した報告書のグラフが読み取りにくければ、
「このグラフを差し替えろ」と指示します。

ところが、もしアメリカでマネージャーがこんな指示をしたら、部下たちから総スカンを食って仕事にならないそうです。
では、どうするかというとこうです。

「この報告書は素晴らしい出来映えだ。
とても感謝している。
ただ、ここのグラフを差し替えるともっとよくなると思うんだが・・・」

アメリカでは、部下が気持ちよく仕事しないと成果が上がりません。
成果を上げることのできないマネージャーはクビになります。

一方、かつての日本は、上司から気持ちよく扱ってもらえなくてもみんな頑張りました。
なぜなら、経済が成長していたので、頑張れば頑張るほど給料が上がることを知っていたからです。

どうやら上意下達の指示命令系統にせよ、飲ミニケーションにせよ、高度成長期の日本に特有のものであり、

世界標準からはかなりかけ離れたマネジメントスタイルらしいのです。
最近の脳科学の研究によると、報酬としてお金がもらえたりご馳走にありつけるという時には、
脳の中の「線条体」という部位が活性化することがわかっています。
この部位は報酬に反応するところです。

ところが、カリフォルニア工科大学の研究によると、

他人から「誠実だ」とか「信頼できる」と評価された時も、全く同じ部位が活性化するというのです。
部下は、給料が上がらなくても、上司からご馳走を奢られなくても、ほめられれば頑張るのです。

あなたも明日からやってみませんか?

“浪花節マネジメント”を。

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