株式会社ファイブスターズ アカデミー
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同期入社のA君があなたより先に課長に昇進しました。
この妬みという感情を持つのは、人間だけではないそうです。
まず、その檻の前に自由に動き回れるネズミを放ち、檻の中のネズミのストレスホルモン値を図ります。
次に同じ境遇、すなわち同じく檻に入れられたネズミを置きます。
妬みという感情は、人間以外の動物にも存在していたのです。
どうやらこの感情は、刺激を与えて発奮を促したりする役目を担っているのかもしれません。
と同時に、同じ境遇の仲間がいると不安が和らぐというのも、
生存ということにとってきっと意味のあることなのでしょう。
ところで、ラッキーな昇進をしたA君が、その後不祥事に関与したという事実が発覚して失脚したとしたらどうでしょう。
神経科学者の高橋英彦は、この「妬み」と「他人の不幸を喜ぶ」ということに関する脳の動きを解明しようとしました。
就活中の大学生に、次の「シナリオ1」を読んでもらいます。
ちなみに主人公は同じく就活中の理系の4年生で、外資系の大企業に就職して都会生活を送りたいと考えています。
①一郎・・・主人公と同じ理系。
就職希望先や価値観は主人公とよく似ていますが、成績は優秀で野球部ではエース。
お金持ちのお坊ちゃんでモテモテ男です。
②花子・・・文系。地方の企業に就職して田舎暮らしをしたいと思っています。
成績優秀かつソフトボール部ではエースです。
彼女も経済的に豊かで、男子からかなりモテます。
③並子・・・文系。成績は中くらいでソフトボール部でも補欠。
経済的にあまり余裕はなく、男子からの人気もイマイチ。
結果は、妬ましい順番のトップが一郎、そして二位が花子でした。
なお、並子にはほとんど妬みの感情が沸かない、いわゆる「無関心」となりました。
高橋はこの時、fMRIで脳の中のどこの部位が活性化しているかを観察しました。
この「前部帯状回」の上部というのは、面白いことに体の痛みの処理にも関係しているところです。
さてこの実験には、「シナリオ1」に続く第二段階として「シナリオ2」が用意されています。
一郎に関して、追加で与えられた不幸情報は以下の通りです。
一方、並子の不幸情報は、所有している中古の軽自動車は故障ばかりしている。
すると被験者は、口を揃えてこう言いました。
では、脳の中を見てみましょう。
と同時に、痛みを感じる部位である「前部帯状回」の上部の活動が低下しました。
「前部帯状回」も「線条体」も、ともに感情をつかさどる部位で脳の深い部分にあります。
では、人間の脳が動物の脳と決定的に違うところはどこかというと、
脳の表面に近い大脳皮質が発達していることです。
ここは、様々な知識が保存されたり、理性的に物事を考える部位でもあります。
ですので、一郎の不幸話を聞いたとき心の中では『ざまあ見ろ!』と叫んでいても、
なぜこのような能力が備わったのでしょうか。
そのため、他者の存在を全く意識することなしに、
ちなみにドイツでは、他人の不幸や失敗を嬉しく思うことは、「シャーデンフロイデ」と表現するそうです。
意味は、「恥知らずの喜び」。
「妬み」を感じるのは人間だけではありませんが、
生物学の研究によれば、「羞恥心」をもっている動物は人間だけだそうです。
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