株式会社ファイブスターズ アカデミー
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やっとの思いで、今年度の販売予算を達成したと思ったら、来年度の予算は10%増とのこと。
打ち出の小槌じゃあるまいし、そんなに簡単に数字が出てくりゃ誰も苦労はしない。
前年の実績を維持するだけでも大変なのに。
全く上層部は何を考えているんだ!
営業部門の悲鳴が聞こえてきそうです。
生物学の本で『赤の女王仮説』を知った時、真っ先に連想したのは、この営業部門の嘆きでした。
ルイス・キャロルが、『不思議の国のアリス』に続いて発表した『鏡の国のアリス』には、
様々なチェスの駒が擬人化されて登場します。
赤の女王は、何故か全力で走り続けています。
そして、ようやく追いついたアリスの質問に、こう答えたのでした。
「この国では、もし同じところにとどまっていたいと思ったら、
力の限り走りつづけなくてはいけないのだよ。
そして、もしほかの場所へ行きたかったら、
少なくともその二倍の力で走らなくてはいけない」
同じところに留まる、つまり前年度と同じ売上数字を達成しようと思ったら、
全力で走らないといけないのです。
全力で走っても、ようやく前年並みなのです。
もし、前年より少しでも売り上げを増やそうと思ったら、二倍の力が必要なのです。
成果を10%アップさせようと思ったら、10%増しの努力ではダメです。
二倍の努力が必要なのです。
この仮説が生物学界で脚光を浴びたのは、生物の進化を実に見事に説明しているからです。
いつの時代も、生物を取り巻く環境は劇的に変化しています。
地球の長い歴史を考えれば、CO2がどうしたとかのレベルをはるかに超えて、
地球環境は激変を繰り返してきましたが、その中でも生物はしっかりと進化を続けてきました。
ちなみに、CO2が地球温暖化の犯人と言われていますが、これは科学的にかなり疑わしいところです。
CO2の増加による温室効果などと言いますが、CO2の分子量は44です。
空気中の78%を占める窒素の分子量28や、21%を占める酸素の32に比べてかなり重いガスです。
これが上空に溜まって温室を形成している、という論法にはかなり無理があると言わざるを得ません。
しかも、CO2の濃度は380ppm、すなわちたったの0.038%しかないのです。
いかがですか?
私は、CO2犯人説というのは、科学的根拠の薄い一種の“宗教”のようなものだと思っています。
詳しくは2011年8月~9月頃のブログで論じていますので、興味のある方は一度ご覧ください。
さて本題に戻りましょう。
『アポトーシス』(15年2月)でも書きましたが、生物が有性生殖を始めたのは、変化する環境に適応するためでした。
オスとメスが互いの遺伝子をシャッフルする事により、今までになかった遺伝子の組合せが生まれます。
新しい組合せにトライすることで、変化した環境にも適応できる個体が出現するかもしれません。
そのために、生物は必死に有性生殖を行って、なんとか種を保とうとしているのです。
植物も同じです。
野生の品種は、花の咲く時期や、実をつける時期がバラバラになるようプログラムされています。
時期が同じだと、環境の変化によって全滅してしまう可能性が高いからです。
中には、埋土種子といって翌年の春にはあえて発芽せず、
何年も土のなかで発芽の時期を待っているという変わり者もいます。
春にソメイヨシノが一斉に開花するのは野生ではないからです。
実は、日本全国にあるソメイヨシノは、たった一本の木から複製されたクローンです。
すべてまったく同一のDNAを持っています。
ですので、クローン技術は自然の節理に反するので反対という人は、花見をするべきではありません。
このように動物も植物も、種を保つために全力で走り続けているのです。
これが、73年にリー・ヴァン・ヴェーレンが発表した『赤の女王仮説』です。
思えば会社も同じではありませんか。
存続するため、つまり倒産しないために、全力で走り続けています。
とは言うものの、社員一人一人を見ると、『赤の女王仮説』は必ずしも成立しません。
以前、『フリーライダー現象』というテーマで、リンゲルマン効果のことを書きました。
これは一人で綱引きしたときのパワーを100%として、
綱の引き手の人数が増えるとどのくらい手を抜くか、という研究です。
引き手が二人になると93%しか力を出しません。
3人なら85%、そして8人にまで増えると、各自の発揮するパワーは平均49%にすぎませんでした。
つまり、実力の半分も出していないことになります。
ということは、一人ひとりのポテンシャルが同じと仮定するならば、
たとえ8人のチームでも、全力を出し切る4人のチームに負けてしまうことになります。
私が
「人事評価に潜在能力は関係ない。あくまで顕在能力で評価すべきだ」
と主張する理由はそこにあります。
そもそも、本当に必死になったら、人間の能力にはそんなに差はないはずです。
成果が挙がらないと嘆く前に、メンバー一人ひとりについて、
その力を一体何%発揮しているのか、一度棚卸ししてみませんか。
個人的な「好き嫌い」はひとまず脇に置いて、一人ひとりが潜在能力の何%を発揮しているのか
冷静かつ客観的な目でチェックしてみましょう。
そして、なぜ全力発揮できていないのか、一体何がネックなのかについて、
本人とじっくり話し合ってみませんか。
なぜなら、組織のパワーを二倍にするためには、全力で走っていないメンバーの能力を引き出して、
潜在能力を顕在化するしか方法は残されていないからです。
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