株式会社ファイブスターズ アカデミー
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『ノブレス・オブリージュ』(15年2月)の回で、
群れを作る動物は、ほとんどの場合序列があると書きました。
人間だけは例外であってほしいと願っていましたが、廣中直行の本を読んでいたら、
残念ながら見事にこの法則が当てはまることがわかり、思わず笑ってしまいました。
今回取り上げるのはメンドリです。
ニワトリも序列化する動物ですが、特にメンドリのそれは厳格だそうです。
まず、上位のトリと下位のトリ、どちらも空腹のメンドリをセットにして、三セット用意します。
最初は、普通にオリの中にエサを置いて二羽を同時に入れます。
すると、上位ドリだけが食事します。
下位ドリはそれを横目で見ながら、上位ドリが満腹になって食事を止めるのを、静かに待つしか手がありません。
かなり厳格な序列ですよね。
さあ、次からが本番です。
二回目は、序列が上位のメンドリをオリに入れて、満腹になるまで食事させます。
そして、もうこれ以上食べられなくなった頃を見計らい、もう一羽の下位の空腹メンドリを入れます。
上位ドリは、もうお腹いっぱいですので、まだエサがたっぷり残っていても見向きもしません。
その様子を見た下位の空腹ドリは、恐る恐るエサを突っついては様子を見ます。
上位の満腹ドリはそれに気づきますが、自分はもう食欲がありませんので特段関心は示しません。
しかし、下位ドリとしては、いくら大丈夫そうだからといってガツガツ食べたら、
いつ何時上位ドリの逆鱗に触れるかわかりません。
ですので、上位ドリの顔色を窺いながら、控え目な食事を続けるのです。
下位ドリに同情したくなりますよね。
ところが、最後の実験はちょっと面白いことになります。
先に下位ドリを入れて満腹にします。
そこに、今度は上位の空腹ドリを入れるのです。
上位ドリは自分が優位なので、下位ドリの顔色を窺うこともなく勝手にどんどん食事を始めます。
すると驚くべき事に、満腹のはずの下位ドリも申し訳程度ですが、一緒に食事を始めたではありませんか。
もうお腹いっぱいで絶対に食べられないはずなのに、上位ドリに“お付き合い”して食事をするのです。
この“お付き合い”のことを、人間社会では“ご相伴”と呼びます。
廣中は、会社の宴会を例に挙げて、その類似性を論じます。
課長以下のメンバーが集まった宴会があったとしましょう。
ひとしきり盛り上がり、あらかた料理もなくなって、もうそろそろお開きかなという段になって、
残業していた新入社員がようやく仕事が終わって駆けつけます。
彼の席には手つかずの料理がズラリと並んでいます。
しかし、いくらお腹が空いているからといってガツガツ食べるようなことをしたら、
「礼儀知らず」と叱られる危険があるので、遠慮がちに手をつけ始めます。
一応、課長や先輩の会話を聞いているようなポーズを装いながら、時々顔を上げては話している課長の方を見たり、
先輩たちの会話に頷くふりをしながらも、頭の中は次に何を食べるかしか考えていません。
なんだか動作までメンドリっぽいですよね。
そして、自分が一生懸命食べていることが、みんなにバレないように注意しながら“控え目”にガッつくのです。
次にその宴席に、出張から戻ってきた部長が現れたとしましょう。
部長は、この宴席では最上位に位置していますので、誰に気兼ねすることなく料理にガッつきます。
すると、不思議なことが起こります。
他のメンバーも、残っているわずかばかりの料理に、再び箸を運び始めたではありませんか。
もうすっかり満腹で、これ以上は絶対無理なはずなのに、
所在無げに刺身のツマや、たくあんの切れ端などを突っついたりします。
どうですか?
メンドリと全く同じではありませんか。
交わしている会話は、部の方針がどうだとか、人事がどうだとか高尚な内容かもしれませんが、
やってることはニワトリと大差ないのです。
このことを知ってしまうと、いつも目にする居酒屋の風景も、
まるで「鳥小屋」のように見えてくるから不思議です。
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