株式会社ファイブスターズ アカデミー
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売り上げがなかなか伸びません。
一方で原材料費のコストはあがるばかり。
しかし、製品価格を値上げする訳にもいかず、泣く泣く利益を削って対応しています。
この状態が続くと、会社が潰れてしまうのではないかと、とても心配です・・・。
多くの中小企業が抱えている悩みです。
アベノミクスのおかげで、少しは景気が持ち直したとは言え、その恩恵を受けているのは大企業ばかり。
中小企業にとっては、相変わらず気の抜けない状態が続いています。
この先、会社が存続できるかどうかは、社長だけでなく社員だって心配なはず。
以前、経営コンサルタントと話した時、会社が存続できるかどうか、瞬時にわかるリトマス試験紙があると聞きました。
それは、財務諸表を分析したりすることではなく、ひどくシンプルなひとつの質問でした。
「その会社が無くなると、誰が困りますか?」
もし、困るのが社長や社員だけだとしたら、その会社の寿命はそれほど長くありません。
でも、お客様や取引先が、「この会社が無くなると困る。他のところではダメなんだ」
というのであれば見込みはあります。
あとは、そういうお客様や取引先の数を増やせばいいだけです。
しかし、このオンリー・ワンが結構難しいのです。
バブル崩壊後、多くの会社はそのオンリー・ワンが見つけられずに、
結局「低価格」というもっとも安易な差別化路線に走ってしまいました。
これが、終わりのない地獄の始まりでした。
なぜなら、値下げという戦略は、どこの会社でも取りうる戦略だったからです。
ここに至り、日本経済は典型的なデフレスパイラルに陥りました。
壮絶な価格の叩き合いは、最終的には体力勝負に持ち込まれます。
最後まで持ちこたえることができた会社が勝利します。
しかし、その勝利で得たものは“成長”ではなく、“倒産の回避”というあまりに小さな果実でした。
とは言え、多くの失業者が街に溢れる中、社員にとって働く場所があることは、
十分すぎる報酬であったこともまた事実です。
第二次世界大戦以降、経済学を学ぶ学生にとっては、教科書の中でしか目にすることがなかった「デフレ」。
その都市伝説とも言うべき現象が、なんと有数の先進国である日本に出現したのです。
さらに、「日銀の使命」という問題が、この不幸を最大限加速しました。
日銀の使命はたったひとつ、「物価の安定」すなわち「インフレの抑制」です。
彼らにとって戦うべき敵は、インフレだけです。
そのため、デフレの出現は、日銀にとっては願ってもない福音でした。
なにせ、何の努力もせずにインフレが抑制できるのですから。
ところが、他の国では少し事情が異なります。
アメリカの中央銀行の場合、使命は二つあります。
物価の安定の他にもうひとつ、失業率の改善が謳われているのです。
つまり、いくらインフレが抑制できたとしても、景気が失速して失業者が増えてはダメなのです。
理由は、フィリップス曲線です。
経済学においては、きわめて基礎的な知見ですが、インフレ率と失業率はトレードオフの関係にあります。
すなわち、インフレ率が高くなるほど失業率は低くなり、
逆にインフレ率が低くなるほど失業率は高くなります。
ですので、アメリカはじめ多くの国の中央銀行の使命は、
インフレ率と失業率のバランスをとることです。
そこでは、インフレ率がマイナスになるデフレなどは、
失業率が極限まで高まるため、絶対に避けなければならない事態なのです。
「インフレさえ抑制できればよい。
たとえ、どれだけ失業者が出ようとも、それは中央銀行の責任ではない」というスタンスをとっている日銀は、
世界的にはかなり珍しい部類に入ります。
それでも金利が高かった頃は、公定歩合の引き下げなどで景気の刺激に寄与していましたが、ゼロ金利になってからは「日銀に出来ることはもうない」と公言して憚りませんでした。
もし、日銀の使命が「物価の安定」と「失業率の改善」の二本立てだったならば、
日銀は、もっと容易に、量的緩和を介したインフレターゲット政策への転換ができたはずです。
しかし、インフレを蛇蝎の如く嫌う彼らにしてみれば、「インフレを目指す」などとは、死んでも言いたくなかったのです。
そのため、代わりに多くの失業者が自殺することになりました。
巷では、日銀がバブルを引き起こしたことの責任論がよく話題になりますが、これは完全な間違いです。
自由主義経済である限り、程度の差はありますがバブルは必ず起きます。
未然に防止するのは不可能です。
問題は、バブルが弾けた時の処理なのです。
ブラック・マンデーのとき、グリーンスパンは翌日のマーケットが開く前に、短い声明を発表することで、
最悪の事態を回避することに成功しました。
曰く、「十分な流動性を供給する用意がある」
サブプライム・ローンが破綻したとき、バーナンキは間髪をいれず、思い切った量的緩和に踏み切ることで流動性を供給しました。
しかし、結果的にはそれでもまだ不十分だったため、リーマンショックが起きてしまいます。
これに対して日銀は、まったく真逆の政策をとりました。
金融を一気に引き締めた挙句、“平成の鬼平”が登場して過剰なまでのバブル退治に血道を上げたのです。
クルーグマンは、この誤った金融政策を的確に表現しています。
「車で轢いてしまった後に、わざわざバックにギアを入れて、ご丁寧にもう一度轢き直した」
問うべきは、「バブルの戦犯」ではなく、「デフレの戦犯」なのです。
人命よりも日銀のメンツを優先するというスタンスが、デフレという人災をより拡大し、
結果的にあの大震災の何倍もの人の命を奪ったのです。
日銀のトップは、自身の判断が多くの人命に影響を及ぼしうるという事実を肝に銘じるべきでしょう。
しかし、今や、明らかに潮目は変わりました。
やっとひと息つけそうな今だからこそ、一度会社のオンリー・ワンについて真剣に考えてみませんか?
あなたの会社が無くなると、一体誰が困るのか?
今こそ真剣に考えて、会社の存在理由を見つける作業に着手しましょう。
そうしないと、いつまた経済のド素人が日銀トップになるかわからないのですから。
いや、正確に言うと、理論としての経済学は知っていても、
人が職を失うことや、その失業者が自ら命を絶つことの痛みを全く感じない人が、
いつまた日銀のトップになるかわからないからです。
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