株式会社ファイブスターズ アカデミー
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私と同年代の人から、こんな話を聞きました。
「20代の頃、本当に尊敬できる上司と出会いました。
その時の部下はみんな、生き生きと、火の玉のようによく働きました。
まるで、何かの魔法にでもかかったかのように」
断っておきますが、ブラック企業の話ではありません。
古い表現で恐縮ですが、「部下の心に火をつける」話です。
その人はこう続けます。
「でも、よく観察していたら、上司の魔法の秘密がわかってしまったんです。
その上司は、部下の話を聞き終わると必ず、ぐっと身を乗り出してこう言います。
『面白そうじゃねえか!』
そして、すっと身を引きながら
『やってみな!』
その後、一拍置きます。
そして今度は、ぐっと声のトーンを落として、冷静な口調でこう言うのです。
『ただ、ここのところはこうした方がいいんじゃねえか?』 」
これだけです。
本当にこれだけで、部下たちは自ら進んで意欲的に仕事をこなし、どんどん成長していったそうです。
部下たちが、どんなにこの上司を慕っていたかは、彼の定年後に明らかになりました。
なんと、この元上司を「囲む会」に、20人近い当時の部下ほぼ全員が集まるのです。
しかも、その方が亡くなるまで20年間毎年ですよ。
これはもう、単に義理固いというレベルを超えています。
おそらく、職場の元上司というよりも、ひとりの人間として心から尊敬していたから続いたのでしょう。
私は前の会社で、多くの上司に“仕え”ました。
その人を囲む会も開かれているのでしょうが、私は出たことがありません。
失礼な言い方かもしれませんが、転職して利害関係がなくなってしまうと、
顔を出す義理を感じないからです。
正直に言うと、「会いたい」という強い気持ちが湧かなかったこともまた事実です。
もしかしたら、上司の真の価値は、定年後にわかるのかもしれません。
だからと言って、定年後の評価を今から気にする必要はありませんが、
部下たちがもっと生き生きと働いてほしいとは誰でも思いますよね。
土光敏夫は、かつてこんなことを言ったそうです。
「部下の話を聞くとき、君はどっちの方かね。
どこに反対しようかと考えて聞くかな?
それともどこに賛成しようかと考えるかな?」
一般に、管理職というのは管理責任を負っていますので、
日頃から間違った判断はしないように気をつけます。
ですので、部下の話を聞くときは、どこかに問題点はないかと、
まるで金属探知機のようにサーチする習性があります。
私もそうでした。
部下の稚拙な話し方に苦戦しながらも、論理矛盾はないか、分析の漏れはないか、
対策案は実現可能な範囲内か、またその実現に向けて想定し得る障害は何か等々について、
もともとあまり出来の良くない脳内コンピューターをフル稼働して、猛スピードで検証していました。
それは決して悪いことではありません。
というより、それが出来なければ管理職を降りるべきです。
ただ大切なのは、部下にそれを話す順番なのです。
私は相手が話し終わるのを待ちきれずに、話を遮ってでも気づいた問題点を指摘してしまいました。
これがまずいのです。
これでは、部下は頭ごなしに否定されたと思ってしまいます。
すると気持ちが萎縮してしまい、みるみる反応が鈍くなっていきます。
今改めて振り返り、本当に反省しています。
そうではなくて、最初に上司が言うべきなのは、賛成できる点なのです。
「面白そうじゃねえか!」、「やってみな!」とまではいかなくても、
「目のつけどころはいいと思うよ」、「○○のところは、私も同感だ」くらいは言ってあげましょう。
そしてその後、冷静に問題点を指摘すべきなのです。
問題を指摘する前に、たった2回ほめたり承認してあげるだけで、
部下のモチベーションは全く違うものになります。
私がこの誤りに気づいたのは、転職して様々な本を読んだり、人の話を聞いたりしてからでした。
このブログをお読みの方には、私と同じ過ちを繰り返してほしくないと思い、恥をしのんで書きました。
大事なことなので、もう一度言いますね。
部下を育てるのは、実に簡単なことです。
問題点を指摘する前に、2回ほめるか承認することです。
多くの人の恨みをかってしまったので、私を「囲む会」などは永遠に開かれないと思いますが、
もしかしたら「取り囲む会」はあるかもしれないと、内心びくびくしている今日この頃です。
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