株式会社ファイブスターズ アカデミー
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数えてみたことはありませんが、今まで結構な数の本を読んできました。
私は題名ではなく著者名で本を選ぶタイプですが、
その中で私の人生に影響を与えた人となると、たった二人しかいません。
そのひとりが黒井千次です。
黒井は芥川賞の選考委員も務めた人物ですが、大人気の作家というわけではありません。
この作家の『時間』という小説を読んだのは学生時代。
社会人になる直前でした。
会社生活に対する漠然とした不安感に囚われていた時だったので、
強い衝撃を受けました。
それ以来、「今後、小説は絶対に読まない」と心に決めました。
まあ、正直に言うとちょっとは読んだのですが・・・
『時間』に描かれているのは、どこにでもいるようなサラリーマンです。
彼が会社の将来のために作成したレポートは、会社の方針とは相反するものでした。
このまま発表すると他部門からの強烈な反発を招くことが予想されるため、
事なかれ主義の上司と鋭く対立してしまいます。
そこで信念を貫いて正しいことを言うべきか、あるいはサラリーマンとして賢く生きるべきか、と悩むのです。
この小説を読んで、社会人になるとこのような事態に直面することもあるだろうと考えました。
そうです。
そのとき私が足を踏み入れようとしていた世界は、この小説のリアル・バージョンだったのです。
この主人公が遭遇したような”エッジ”を、私もこれから必ず経験するだろうと身構えたものです。
要するに、その時に自分はどう生きるかです。
どちらを選択するかが問題なのです。
それ以来、私は小説に描かれる「フィクション」には、全く興味がなくなりました。
あれから30数年がたちました。
結論から言うと、私の予想は的中しました。
ここで、どちらの選択が正しいのか議論するつもりは全くありません。
なぜなら、結局のところそれは個人の生き方の問題だからです。
ただひとつ、気づいたことがあります。
司馬遼太郎が大好きだ、というエライさんは今まで大勢見てきましたが、
そういう人は例外なく、風見鶏のように姑息な「社内政治活動」に血道をあげていました。
そうです。
彼らは現実を遠く離れて、小説という空想の世界で浮遊するときに初めて
信念の男としてヒーローになれるのです。
いいとか、悪いとかの問題ではありません。
単にその人がサラリーマンとして、そういう生き方を選択したというだけのことです。
どうですか?
みなさんの会社にも、半沢直樹の隠れファンという”夢見る中高年”はいませんか?
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