株式会社ファイブスターズ アカデミー
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昔、『ジョニ赤』や『ジョニ黒』といえば、高級洋酒の代名詞でした。
現在でも、世界で最も売れているブレンデッド・ウィスキーです。
ブレンデッド・ウィスキーというのは、その名の通り何種類かのウィスキーをブレンドしたものですが、
モルト・ウィスキー同士を掛け合わせたものは、ヴァッテッド・ウィスキーと呼ばれます。
プレンデッド・ウィスキーというのは、モルト・ウィスキーの他に
グレーン・ウィスキーもブレンドしたものを言います。
ここでちょっと、用語の説明をしましょう。
モルト・ウィスキーというのは、大麦麦芽(いわゆるモルト)だけを原料として、
単式蒸留釜で2回蒸留したものを言います。
まれに『ブッシュミルズ』のように3回蒸留するものもありますが、ほとんどが2回です。
以前科学の本で、アルコール精留グラフというのを見て、ノートに書きとめました。
凝縮曲線と沸点曲線という2本の曲線の組み合わせから成るものですが、
例えば10%のアルコール液を沸騰させ、その蒸気を冷やしたものをさらにもう1回沸騰させると
理論上75.6%のアルコール濃度になります。
モルト・ウィスキーの場合、 この蒸留に使われる単式蒸留釜は、
ポットスチルと言ってジョーロをひっくり返したような形をしています。
一方、グレーン・ウィスキーの原料は、トウモロコシや小麦、発芽していない大麦などです。
しかも蒸留釜が違います。
連続式蒸留釜と言って、巨大な筒状のものです。
連続して蒸留しますので、アルコール度数が90度以上の酒を大量に造ることができます。
アルコール精留グラフによれば、97.2%がアルコール濃度の限界です。
グレーン・ウィスキーは雑味がないかわりに、モルトのような豊かな風味が失われてしまいます。
個性豊かなモルト・ウィスキーを集めてブレンドするヴァッテッド・ウィスキーは、
それぞれが主張し合い、ケンカし合い、文字通りヴァッティングしてしまいます。
などと言っていますが、ヴァットとは本当は「樽」という意味だそうです。
ところが、そこに無味とも言えるグレーン・ウィスキーが加えられると、数々の名酒が生まれます。
どこか会社みたいですね。
個性の強いリーダーが何人かいると、意見が対立し合ってうまくいかないのに、
そこに自己主張はあまりしないけれど、縁の下でコツコツ働く人達が加わると組織として機能する。
ちなみに、ブレンデッド・ウィスキーの年数表示については、
ブレンドしたウィスキーの中でもっとも貯蔵年数の短い、つまり”若い”ものを表示しなければなりません。
ですので、『ロイヤル・サルート』なんかは、「21年もの」以上のウィスキーだけで構成されていることになります。
そもそもスコッチは、100年以上前に制定されたスコッチ・ウィスキー法で、
最低でも3年以上貯蔵しなくてはならないと定められています。
つまり、個性がないとも思えるグレーン・ウィスキーであっても、
それなりに修行を積んでいるからこそ全体のハーモニーを奏でることに貢献できるのですね。
さて、ブレンデッド・ウィスキーと、モルト・ウィスキーの味の違いを体感できるのが飲み比べです。
私のお勧めは、『ジョニー・ウォーカー』と『カードゥ』のセットです。
『カードゥ』は、『ジョニー・ウォーカー』のキーモルトです。
大変華やかな味のモルト・ウィスキーですが、やはりモルトらしく”とんがった”感じが際立っています。
ところが、これがブレンドされた『ジョニー・ウォーカー』となると、
なんともまろやかな飲みやすいものに変わるのです。
ちなみに私は、ビールと発泡酒の違いがわからないほどの味音痴です。
ワインに至っては、高価なものでもスーパーの紙パックでも同じおいしさに感じます。
しかしこんな私でも、ウィスキーの味の違いははっきりわかるのです。
本当は ストレートで飲むと違いがよくわかるのでしょうが、
私のようにそんなに強くない人には、水割りがお勧め。
ただし、水割りの比率に注意する必要があります。
ウィスキーと水の割合を同じ、つまり1対1にするのです。
水は水道水はやめましょう。
あ、それから、氷は入れてはいけません。
ウィスキーの香りが立ちませんから。
ウィスキーのアルコール度数はだいたい40度ちょっとですから半分になると20度くらい。
つまり、ワインより少し強いくらいの程度になります。
私は念のため、隣に水を一杯置いておきます。
いわゆるチェイサーというやつです。
セロニアス・モンクの曲に『ストレート・ノー・チェイサー』というのがありますが、
胃にやさしい飲み方ではありませんのでお勧めしません。
ちなみに、モンクのピアノを聞きながら飲むのはもっとお勧めできません。
なぜなら彼の、ピカソを彷彿とさせる演奏を聴くと悪酔いする危険性があるからです。
ところで、これがウィスキーの正しい飲み方というわけではありません。
そもそも、ウィスキーの正しい飲み方なんてあるのでしょうか。
バランタインのマスターブレンダー、ロバート・ヒックスは土屋守の質問に対して、こう答えています。
「バランタインの正しい飲み方だって?
それはひとつしかない。
たくさん飲むことだ」
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