株式会社ファイブスターズ アカデミー
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木全信の本を読んでいたら、見覚えのある人の名前を見つけました。
その人物、木全と同じジャズ・プロデューサーであるKさんと、
銀座の泰明小学校近くにある古ぼけたジャズ喫茶で会ったのは、今から5年ほど前の事でした。
夜はバーとしてウィスキーを出すその店で、私の隣に座っていたのがKさんでした。
私は、酒を飲む時は大抵一人なので、ママが気を遣って紹介してくれたのです。
彼は、その世界ではとても有名で、アート・ブレイキーのアパートによく遊びに行っていたという話には、
時の経つのも忘れて聞き入ってしまいました。
そして何より驚いたのは、日本のクラブなどに出演した時のギャラが、
たったの2~3万円だったということです。
今とは物価が違うと言っても、あまりに安すぎではありませんか。
本の話に戻りましょう。
ケニー・ドリューは、木全がプロデュースしたビアニストです。
大人気を博したジャズメンですが、意外にもアメリカやヨーロッパではそれほどの知名度はなく、
日本だけのブレークだったそうです。
ジャンルは違いますが、アラン・ドロンみたいなものですかね。
ある時、彼に演奏の秘訣を尋ねたところ、ケニーは二つの事を挙げました。
ひとつは、テクニックを表に出さないことだそうです。
プロならば、ほとんどの人が超技巧を持ち合わせているのですが、
それを隠して、誰にでも弾けるような、いとも簡単と思わせる表現方法ができるかどうかです。
そしてもうひとつは、音と音の間、つまり音間にどう意味を持たせるかです。
この話を聞いて、これはまさに研修講師そのものではないかと思いました。
プロの講師ならば、尋常ではないほどの膨大な知識を持っています。
知識を増やす作業は、特に難しいことではありません。
むしろ、とても楽しい作業です。
しかし、なにより難しいのは、その豊富な知識を隠すことなのです。
もし、その引き出しを惜しみなく披露するチャンスがあるとすれば、それは質問を受けた時です。
ジャズでもアドリブ(即興演奏)のとき、つまりシナリオがない時に実力が露呈します。
それから、「間」に意味を持たせるというのも、その人の話力を示す重要なポイントです。
講師にとっては、話している時よりも、話していない時の方が大事なのです。
改めて、プロとは何かを考えさせられました。
もっともっと精進しなければ、と思います。
少なくとも、アート・ブレイキーよりは、はるかに高い講師料をもらっているわけですから。
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