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5☆s 講師ブログ

デューク・ジョーダン

帰ろうかと真剣に悩んでいました。
今から10年以上前の、ある会議の最中のことです。

「自分が正当に評価されていない」という不満が、突然ふつふつと沸いてきました。
そして、過去の数々の理不尽な出来事が次々に思い出され、私の周りで渦を巻き始めました。

会議の後、軽いパーティーが予定されていたのですが、

そんなものはキャンセルしてこのまま帰ってしまおうかと本気で考えました。
怒りで熱くなった頭には、結構魅力的な提案に思えたのです。

パーティー開始まで会場設営の都合とかで少し時間があったので

半ば帰る気持ちでビルの1階に降りました。

すると、CDショップがあります。

このまま帰ってしまっていいものかという後ろめたい気持ちも手伝って、とりあえず入ってみます。

店に入るや否や、ブルーノートというジャズ・レーベルの広告が目に飛び込んできました。

デューク・ジョータンの『フライト・トゥ・ジョーダン』。
懐かしい名前です。
思えば学生時代、下宿屋の薄暗い四畳半で来る日も来る日もジャズを聴いていました。

今でこそ、ジャズファンなら誰でも知っている巨人ですが、

まだ無名だった若きピアニストが全力で世に問うたこのアルバムは、誰からも見向きもされませんでした。

失意のうちに海を渡ったジョーダンは、そこで人生の転機を迎えます。

彼の演奏スタイルはヨーロッパで絶賛を浴び、満を持して発表したのが『フライト・トゥ・デンマーク』。
この題名を見ても、ブルーノート版への思い入れの強さが分かります。
これをきっかけに本場アメリカでも前作が再発掘され、評価は一気に高まりました。

ところでアメリカでの不遇時代、彼がアルバイトでタクシーの運転手をしていたのは有名な話です。

誤解のないように申し添えますが、私はタクシーの運転手という職業を低く見ているわけでは決してありません。

私が言いたいのは、あのデューク・ジョーダンでさえ仕事が全く評価されず

アルバイトをしなければならないほどの「冬の時代」があったということです。

その時、私は考えました。

今の私はどうなのかと・・・

評価されないといっても、彼のようにアルバイトをしなければならないほど困窮しているわけではない。

評価されていないというのは、単に自分の努力不足ではないのか?

たとえ今は評価されなくとも、ホンモノを追求することを忘れずに実力をつけていけば

いつかきっとわかってもらえる日が来るはずだ。
愚痴や不満を言っている暇があったら、もっと自分を磨くことに時間を費やすべきではないのか。

CDの会計を済ました私は、踵を返してパーティー会場へと急いだのでした。

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