ミランの10番
そのプレースタイルの変わりようは、まるで別人のようでした。
ACミランに移籍した本田選手のことです。
下位に低迷していると言っても、そこは腐っても鯛。
サッカーファンなら誰もが知っている名門チームの10番です。
いいプレーをすれば、世界中から絶賛を浴びますが、そうでなければ徹底的に叩かれます。
本田はメンタル面ではワールドクラスの選手ですが、彼の最大の欠点は運動量の少なさです。
90分間ピッチをテクテク歩き続ける姿を、私たちは何回も見せられました。
北京オリンピックの予選や、昨年のワールドカップ予選の中東開催のゲームです。
これだけ走らないのに交代させられない選手というのは、ラモス以来でしょう。
それにしても不思議なのは、日本のメディアが彼を一切批判しなかったことです。
しかし、イタリアでは総攻撃にあうはず。
本人もそれを意識していたのか、見違えるような走りでした。
しかも、なんと守備までこなしているではありませんか。
まあ、前線で守備をしないビッグネームが3人もいたら、
たしかにやらざるを得ませんけどね。
しかし、本田の活躍を手放しで喜ぶのはまだ早いのです。
なぜなら、彼へのパスの出し手が、もっぱらモントリーボに限られていたからです。
いつもなら、ミランの司令塔はムンタリが務めています。
これからもモントリーボが司令塔を担うならば本田の活躍は十分見込めますが、
監督が更迭されてしまったので、今後のメンバーはどうなるかわかりません。
そもそもヨーロッパで日本の選手が認められるのは、なかなか難しいことです。
普通は、名前の知らないアジアの選手にはバスは出してくれません。
ですので、まずはチームメイトにアピールして信頼を勝ち取る必要があります。
なんだか、会社みたいですね。
大きな仕事を任せてほしければ、まずは地道なことにコツコツ取り組みなさい。
ところで、個人的な感想を言うと、まず守備陣、特にセンターバックをどうにかすべきです。
歴代、守備陣にもビッグネームがひしめいていたミランにしては、あまりにお粗末な布陣です。
これも会社みたいですよね。
他人を攻撃するのは得意だけど、脇が甘い人って結構いますから。