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5☆s 講師ブログ

人の心がわかる遺伝子(2)

前回、第7番染色体のFOXP2という遺伝子の一部が、
第11番染色体に乗り移ってしまうと自閉症を発症すると書きました。

自閉症になると、他人に心があるということを理解しづらくなります。
ですので、この遺伝子が「人の心がわかる遺伝子」ではないかという結論でした。

しかし、自閉症の原因遺伝子は他にもあることが分かりました。
スウェーデンで、自閉症とアスペルガー症候群の人合わせて
男性141人、女性18人を対象に遺伝子解析が行われました。

その結果、ある家系でニューロリギン4という遺伝子に異常があることが確かめられました。
異常と言っても、点突然変異と言って、DNAの文字がたったひとつ違うだけです。
後に、ニューロリギン3という遺伝子の異常でも発症することがわかりました。

では、そもそもニューロリギンという遺伝子は、普段どんな働きをしているのでしょうか。
これは、神経シナプスの情報伝達を助けるタンパク質を作っています。

私たちの脳の神経細胞は、それぞれ独立していますので、
ある細胞が隣の細胞に情報を伝えようとすると、ちょっと工夫が必要です。

隣り合った二つの神経細胞は、それぞれ突起を持っています。
この突起がごく近い距離にありますので、ここから様々な神経伝達物質を分泌して
相手の細胞に伝えるのです。

この、二つの細胞の間の「つなぎ目」のことをシナプスと言います。
この「つなぎ目」はごくわずかではありますが、離れています。
そして、この離れている部分の情報伝達を助ける役目をしているのが、
ニューロリギンというタンパク質なのです。
よって、この遺伝子に異常があると、神経細胞間の情報伝達がうまくいかなくなります。

もちろん、これが自閉症のすべての原因ではありません。
自閉症の原因遺伝子は、他にもあると考えられ、今もその探求が続けられています。

それにしても、「人の心がわかる」ということが、2万5千もある遺伝子のうちの、
たったひとつの、DNAの文字の異常で決まってしまうというのは恐ろしいことです。

しかし、私たちの日常生活を振り返ると、遺伝子上はまったく異常がないにも関わらず、
多忙を理由に「人の心がわからない」状態になっていることが結構ありますよね。
気を付けましょうね。

ところで、前回お話ししたバカロレアの問題、「なぜ動物は言葉を話せないのか」に関連して
松井孝典氏の「スリランカの赤い雨」(角川学芸出版)に興味深いことが書いてありました。
正確に言うと、この問いの裏返しで、「なぜ人間は言葉を話せるのか」ということなのですが・・・。

実は、なぜ人類が、ある日突然、言語能力を獲得したのかというのは、学術的にはかなりの謎なんだそうです。
それに対する松井氏らの結論は、宇宙から隕石に乗って飛来した「ウィルス」に感染したためと言うのです。
確かに、現在の生物学において、ダーウィンの進化論だけでは説明しきれない部分がヤマほどあります。
私も、20年ほど前のことですが、中原英臣氏の「ウィルス進化論」を貪るように読んだ記憶があります。

まぁ、それはいいとしてですよ。
松井氏によれば、地球上の生命体の始まり、つまりすべての生物にとっての祖先は、
隕石により地球に飛来したのではないかというのです。
つまり、私たちも含めて、地球上の生き物すべてが「エイリアン」の子孫と言うことになります。

誤解のないようにお断わりしておきますが、これはオカルトでもなんでもありません。
松井氏は、東京大学名誉教授で、現在は千葉工業大学惑星探査研究センターの所長をしておられます。
地球惑星物理学の権威で、地球外生命体研究の分野では日本の第一人者と言った方が分かりやすいかもしれません。
このブログをご愛読いただいている方はおわかりだと思いますが、私は科学的なことしか書きませんので。

ご興味のある方は、ぜひご一読をお勧めします。
常識がひっくり返りますよ。

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