赤ちゃんも人の心を読む?
前回、誤信念課題については、4歳未満の子供は正解できないと話しました。
なぜでしょう?
それは、サリーに心があることを理解できないからです。
そうなのです!
人に心があるということを理解するには、結構高い知性が必要なのです。
この課題は、4歳児から正解者が出始め、12歳でほとんど全員が正解できるようになります。
でも、12歳になっても正解できない子供がいます。
それは自閉症の子供です。
自閉症の子供にとって、人に心があることを理解するのは困難なことなのです。
この年齢に関しては大変よく知られた事実ですが、2005年に衝撃的な論文が出ました。
クリスティン・オオニシとレネー・バイラジョンによれば、
なんと生後15カ月の赤ちゃんでも、人に心があることが分かるというのです。
でも、どうやって赤ちゃんに質問したのでしょう?
もちろん質問はできません。
そうではなくて、2つのシーンを見せて、どちらを長く見ていたかを測るのです。
ここでは、ボールのかわりにおもちゃを使いました。
まず、予想どおり、おもちゃがあるはずのダンボールを探すシーンの映像です。
次に、おもちゃなどないはずのタンスを、いきなり探し始めるシーン映像です。
すると、赤ちゃんは、おもちゃなどないはずの、タンスの方の映像を長く見ていたのです。
すなわち、予想外の行動に出たため、驚いて長く見ていたという解釈です。
これは大変なことです。
なんと、生まれて1年ちょっとの赤ちゃんでも、人に心があることを理解しているのです。
相手の心を読むという行動は、もしかしたら遺伝子に組み込まれている事なのかもしれませんね。