それは脳の障害です!
前回、ミラーニューロンのお話しをしました。
相手が手を振るのを見た時、自分が手を振った時と同じ細胞が発火するのでした。
これは、手を振るという動作だけでなく、「感情」にも当てはまります。
例えば、相手の悲しそうな表情を見た時、自分が悲しい思いをしている時と同じ細胞が発火するのです。
これを、一般には「共感」と言います。
今、被験者に、つらそうな表情をしている顔の写真を見せます。
その時の脳の変化をfMRIで観察します。
すると、脳の中の島皮質という部位の血流が増えていました。
ということで、島皮質は、感情に関係していることが分かります。
実は、島皮質は不快な感情に関係しているところで、現在かなり研究が進んでいます。
もちろん心理学ではなく、脳機能学の分野ですけど・・・
次に、腕に注射を打たれる映像を流します。
すると、今度は前部帯状回というところの血流が増えました。
帯状回は、大脳辺縁系の一部ですので、感情に関係することは以前から知られていました。
大脳辺縁系というのは、かなり古い脳です。
人類が高度な知能を持つまでに進化する以前から、存在していた脳です。
ところで、この実験で、島皮質や帯状回があまり活性化しない人もいるようです。
これって「人の気持ちが分からない」ということですよね。
そうです!
「人の気持ちが分からない」というのは、軽度ではありますが脳の障害とも言えるのです。
部下からの人望がないとお悩みのあなた!
もしかしたら、あなたの脳には重大な欠陥があるのかもしれません!
一度、この実験を受けてみてはどうですか?
でも、ご安心下さい。
そもそもそんな悩みを持つということ自体、大脳辺縁系が働いている証拠です。
本当に「人の気持ちが分からない人」って、そもそも人望がないことに気付かないですから。