株式会社ファイブスターズ アカデミー
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2013年7月6日のプログ「ソロモンアッシュの同調実験」の回で、
人は他人の意見に、ついつい合わせてしまうということをお話しました。
そうです。
同時に2枚の紙をみせますが、
片方の紙には、長さの違う線が3本引かれています。
もう片方の紙には、1本だけ線が引かれていますが、
それは3本の線のうちのまん中の長さの線と 同じ長さです。
そして、3本の線のうち同じ長さの線はどれかと聞くのですが
そこに何人かのサクラがいて
彼らが揃って間違った線を指さすと、ついつい同調してしまうという実験でした。
この傾向は、アメリカより日本の方が強く表れるのではないかと思われていました。
なぜなら、一般に日本の方が「集団主義的」であると考えられているからです。
ところが、結果は全く違いました。
両国で同調傾向を比較した調査は22ほどあるそうですが、
なんとそのうち21はこの予想を否定するものでした。
逆に、アメリカ人の方が同調傾向が強いという結果も、かなりあったのです。
これを裏付けるような、不幸な事実があります。
9.11のテロの時のことです。
世界貿易センタービルのノースタワーに、最初の飛行機が突っ込んだ時、
サウスタワーの人々は、まさかその16分後に2機目がこちらにも突っ込んでくるとは思っていませんでした。
すぐに避難を考えた人もいましたが、フロアに留まるという判断も、決してまちがいとは言えません。
なぜなら、隣の建物からの落下物の危険があるためです。
事実、サウスタワーでは「フロア内に留まるように」との館内放送さえあったくらいです。
しかし、いち早く逃げ出して、九死に一生を得た人も大勢いました。
サウスタワーの88階と89階に事務所を構える、キーフ・ブリュイエット&ウッズという投資銀行には
あわせて120人ほどが働いていました。
このテロで亡くなったのは67人でしたが、奇妙なことにそのうち66人は89階で働いていた人たちです。
つまり88階の人々は、たった一人を除いて全員すぐに避難して助かったのです。
なぜ、彼らはすぐに避難したのでしょうか。
それは、一人の男がフロア内を走り回って、すぐに避難するように声を枯らして呼びかけたからです。
ひとりが逃げ出すと、我も我もとみんなが続きました。
しかし、89階では、最初に逃げ出す人がいなかったので、全員が留まるという判断をしてしまったのです。
どちらの判断が正しかったか、ということを言いたいのではありません。
フロアにいた全員が同じ判断をした、という事実が重要なのです。
これこそ、究極の同調現象です。
ちなみに、89階で亡くなった唯一の例外、つまり89階以外で働いていた人は誰かというと、
88階の全員に避難するよう呼びかけた人物です。
彼は、その後、89階の人々にも警告しようと階段を駆け上がったのです。
しかし、上階の人たちは、彼がいくら呼びかけても、誰一人逃げようとしませんでした。
そして、やがて第二の飛行機が・・・
この「英雄」は、一体どんな気持ちで最後のときを迎えたかと思うと、本当に胸が痛みます。
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