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5☆s 講師ブログ

ウソを見抜く心理学(2)

前回は、心理学の知見をお話しました。
今回は、刑事のお話をしましょう。

北芝健氏です。
氏は元警視庁の刑事です。
彼の「落としの技術」(双葉社)によると、以下のようなしぐさの変化が現れるそうです。

まず、緊張感が走るため、呼吸が浅くなったり早くなったりします。
また、声帯が固くなるため、声のトーンが高くなることもあるそうです。
しかし、時にはそれらをすべてクリアーするような、「ベテランの容疑者」?もいるそうです。
ところが、そのベテランでも、滑舌が悪くなったため刑事にウソを見破られました。

視線がどちらの方向を向くかも観察ポイントです。
私の研修では、実際に脳科学の実験に参加してもらいながら体験します。
具体的には、5月18日のブログで触れた「キメラの顔」のスライドを見せながら
ノーベル賞学者のロジャー・スペリーの実験と照らし合わせながら脳と目の関係性を解説します。

右方向に視線が行く場合は、何らかの作為が働いています。
というのは、理屈やストーリーを考えるのは左脳です。
ですので、左脳が一生懸命ストーリーを考えている時には、
左脳とつながっている右目が動いてしまうのです。

また、ウソの見抜き方ではありませんが、面白かったのは自供を引き出す時の取り調べです。
刑事は、例えば年金制度改正の記事の載っている新聞をいきなり机に叩きつけて、
「あー、やってられない!何だこの年金制度の改正は。こんなのは改悪だ!
ウラでうまいことやってるヤツばかりが得して、真面目に働いている者がバカを見る世の中だ!」
などと、取り調べなどそっちのけで、しばらく社会に対して悪態をつくのです。

すると、容疑者というのは、少なからず「自分は社会の被害者」だと思っているそうで、
刑事に対して共感を覚えるのだそうです。
これってまさに、1月19日のブログで紹介した「A-B-Xモデル」ではありませんか。

しかも逃亡犯というのは、警察の捜査がどこまで進展しているのかとても気にしているので、
人一倍新聞を読んでいます。
ですので、年金など時事問題にはやたら詳しいのだそうです。
そのため、刑事の話についつい乗ってくるのです。

次回は、検事のテクニックをご紹介しましょう。

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