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5☆s 講師ブログ

アイヒマンの実験

それまではパランス感覚に優れた常識のある人だったのに、
営業部門に異動したとたんに、鬼軍曹のようになって数字、数字とわめきたてる。
そんな人っていますよね。

心理学界では、かなり有名な割りには、触れることさえタブー視されている実験があります。
イェール大学のスタンリー・ミルグラムが行った実験です。

まず、参加者を教師役と、生徒役とに割り振ります。
実はこれにはトリックがあり、被験者はすべて教師役が当たるようになっています。
つまり、生徒役になった人はすべて「サクラ」なのです。

そして、教師役は、電気ショックのスイッチを入れなければなりません。
スイッチを入れると、隣室にいる生徒役の人に電気が流れる仕組みとなっています。

さあ、いよいよ実験開始です。
生徒役にいろいろな質問が出され、もし生徒が間違うと
教師役は電気ショックのスイッチを入れるよう命じられます。
そして、間違えば間違うほど、電圧はどんどん高くなります。

教師役から隣室は見えませんが、悲鳴だけは聞こえるようになっています。
しかし、実際には電気は流れておらず、生徒役の悲鳴はもちろん演技です。
電圧が高くなるほど切羽詰まった演技をするため、教師役としては気が気ではありません。

あまりに激しい悲鳴になると、教師役はスイッチをいれるのをやめようとしますが、
その時には白衣を着た、いかにも権威のありそうな人が、
「あなたには責任がないので実験を続けるよう」指示します。

この実験の結果は、おそるべきものでした。
事前の予想では、最大電圧までスイッチを入れるような「極悪非道」な人は、
1%くらいだろうということでしたが、なんと6割以上もいたのです。

この実験からわかることは、どんな常識人でもプレッシャーをかけられると
正常な判断ができなくなることがある、ということです。

この実験はタブー視されていると言いましたが、理由は倫理的な問題がからむからです。
また、別名「アイヒマンの実験」とも呼ばれています。
アイヒマンとは、第二次世界大戦中のドイツで、ユダヤ人を収容所に送っていた極悪非道な人物です。

その後アルゼンチンに逃亡し偽名でひっそり暮らしていましたが、彼を追いつめる情報機関に見つかってしまいます。
発見のきっかけは、彼が妻の誕生日に花を贈っていたことでした。

妻の誕生日に花を贈るような心優しい男でも、ひとたびプレッシャーのかかった状況に置かれると
平気で数百万人もの虐殺に手を貸してしまうなんて・・・

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