株式会社ファイブスターズ アカデミー
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ずいぶん前のことですが、デパートのスーツ売り場をブラブラ冷やかしていた時のことです。
もちろん、高価なので買う気などありませんでした。
すると、近づいてきた販売員がこう言ったのです。
「ダブルをお探しですか? シングルですか?」
その時私は、ダブルのスーツなど一着も持っていないことに気付きました。
「そういえばダブルなんて持ってないな」
「分かりました。こちらがダブルのコーナーなのですが、
明るい色がお好きですか? それともダーク系ですか?」
「えっ?色? うーん、持ってるのはドブネズミ色ばかりだから、
明るい色のスーツなんて着たことないよ」
「わかりました。いかがでしょう。この辺りが明るい色の品ぞろえとなっておりますが・・・」
その数分後には、私は明るい色のダブルを試着していました。
これは、誤前提提示というテクニックです。
誤前提というのですから、前提条件が誤っているという意味です。
この場合は、「ダブルか、シングルか」の選択肢の前に、
そもそも 「買うか、買わないか」という選択肢が、大前提としてあるはずです。
しかし、いきなり「ダブルか、シングルか」と聞かれると、
大前提の「買うか、買わないか」を忘れてしまうのです。
セールスパーソンの場合、このテクニックはアポどりの時に使います。
「いつ頃お時間とれそうですか?」とは聞かずに、
「来週の前半と後半では、どちらが空いていますか?」
「前半ですね、では月曜日と火曜日ではどちらがよいでしょう?」
と、畳み掛けます。
これは別名「二者択一効果」とも言います。
目の前に、選択肢を二つ提示することで、
本来その前に存在している、「会うか会わないか」という大前提を見失わせる効果です。
あなたが女性で、もしも二股架けられた時には、こう言いましょう。
「私と結婚するの? それとも彼女?」
すると相手は、そもそも「結婚するか、しないか」という選択肢を忘れて
あなたとゴールインするかもしまうかもしれませんよ。
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