株式会社ファイブスターズ アカデミー
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前回同様、岩田規久男著「日本銀行 デフレの番人」(日経プレミアシリーズ)からご紹介します。
まず、前回のおさらいをしましょう。
日銀の物価目標は、前年比上昇率0%~2%です。
そして、コアインフレ率で毎月の達成度合いを見ると、10勝158敗となり、
勝率はわずか6%にすぎませんでした。
でも、日銀を擁護する人々はこう言います。
「それほどインフレ率の誘導は難しいのだ」と。
本当でしょうか。
そんなにも物価の安定、つまりインフレ率の誘導は難しいのでしようか。
そこで、今回は、海外の中央銀行の勝率を見てみます。
岩田氏が分析したのは、アメリカ、イギリス、オーストラリアでした。
どの国もインフレ率は1~3%に目標設定しています。
調査期間は、アメリカが98年1月からですが、他は2000年1月からです。
ただしオーストラリアだけは統計の都合上、毎月ではなく四半期毎です。
判定するインフレ率は、エネルギーと食料品を除いたコアインフレ率です。
では勝率を発表します。
アメリカ ・・・99.4%
イギリス ・・・77.4%
オーストラリア ・・・81.8%
いかがですか?
日本の6%という勝率が、いかに異常な数値かお分かり頂けると思います。
ちなみに、「一度インフレを誘導すると、手がつけられないほどのハイパー・インフレになる」
という主張もありますが、これも間違いです。
なぜならこの期間中の、最大のコアインフレ率を見ると、
アメリカは2.6%、イギリス3.7%、オーストラリア4.6%です。
ただ、確かに勝率は低すぎますが、日銀だけを責めるのは間違いです。
金融政策についてのわかりやすい解説を一切せず、
ただ単に「インフレ」という言葉に対して極端なアレルギー症状を示して、
徹底的にネガティブキャンペーンを張ったのはマスコミです。
そして、それを何の疑いもなく受け入れていたのは、私たち国民です。
まずは、マスコミが経済に関する正しい知見を報道し、
そして、中央銀行の政策に関心をもつ国民が増えれば、事態は必ず改善されるはずです。
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