株式会社ファイブスターズ アカデミー
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2012年2月に日銀が、1%のインフレ率をメドとすることと、
国債の買い入れを10兆円から19兆円に一気に拡大すると発表した途端に、
劇的な効果が現れました。
低迷していた株価は、一気に急上昇に転じました。
そして為替レートも一気に円安に向かったのです。
リーマンショック以降、どうやっても歯止めのかからなかった株価の下落と円高が
いとも簡単にいく止められただけでなく、劇的に反転したのです。
株価の上昇と円安というのは、すべて岩田氏の予想どおりです。
別に岩田氏が予言者だったわけではありません。
経済学者にとっては、この説はきわめて常識的な理論です。
今回の事態についても、日銀のこれまでの対応を「不作為」と批判するエコノミストも大勢います。
ただし、日銀内部でどのように受け止めているかはよくわかりません。
3月には、日銀総裁がアメリカの量的緩和の副作用を指摘するコメントを発表しました。
もはや誰が見ても、「負け惜しみ」としか思えないのですが・・・・
それどころか、そのあと日銀は何らの手も打たなかったので、
マーケットは日銀の対応に失望して、株価も下がり、円安も頭打ちとなりました。
これほどまでに日銀がマーケットに与える影響度は大きいのです。
ただしこれにはひとつだけ注意事項があるのですが、それは後でお話しましょう。
テレビに出てくる「にわか経済評論家」達は、経済の専門用語を並べ立てて
日本の景気が良くならない理由をいくつもいくつもしたり顔で解説してくれます。
やれ、ギリシャがどうだとか、財政赤字がどうだとか、日本の産業構造がどうだとか・・・
しかし、私に言わせれば、それは明らかに経済学に関する十分な知識が不足している結果です。
ところで一つ疑問が残ります。
「にわか評論家」とは違い、専門知識を持っているはずの日銀は、
なぜインフレ率の目標設定もせず、量的緩和もしなかったのでしょうか。
それは、大火事のときに大洪水を恐れていたからです。
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