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5☆s 講師ブログ

記者クラブという奇妙な制度

国会や政府の建物、また地方自治体には記者クラブというものがあります。
大手新聞社や地元の新聞社がそのメンバーです。
ですので、当局が記者会見を行う場合、原則としてそのメンバーしか入ることは許されていません。

新聞社同士の取材合戦がエスカレートすることを防止するためでしょうが、
反面、雑誌記者やフリーのジャーナリストたちを排除する既得特権でもあります。
そして、当局の発表を何の検証を行うことなく垂れ流すという構造をもたらしました。

なぜ垂れ流すかというと、当局に批判的な記事を書くと、記者クラブから締め出されるからです。
沖縄の防衛局長の問題発言の際触れた、「書いたら出入り禁止」というあのことです。

国会や官邸などで、記者クラブに所属し特権的に取材することを許されている記者たちは、
よくぶら下がりという取材をします。

政治家が廊下を歩く時に、一緒に歩調を合わせながら質問を浴びせるのです。
このとき、大変珍しい光景が見られます。

「メモ合わせ」といって、一部の記者が聞いた政治家の談話を記者全員で共有するのです。
なぜなら、政治家のすぐ隣にいた記者と、ずっと後ろにいた記者では
聞き取る情報量が異なるため、書く記事の内容に違いが生じることを防止するためです。

メモ合わせをして発言内容を確認し、全員が同じ情報を得るようにするのです。
ですので当然、どの新聞もまったく同じ記事が掲載されることになります。

事件記者は別として、政治に関しては、記者クラブには取材合戦は存在しません。
みんなが平和に横並びで、政治家のいったことを忠実に記事にしているだけなのです。
メモ合わせまでして・・・

大本営発表の頃と少しも変わっていないと思うのは、私だけでしょうか。

もちろん、アメリカに記者クラブなどという制度はありません。
というより、この制度が設けられているのは、世界広しと言えども、
日本とアフリカのジンバブエだけなのです。

外国人記者は日本に派遣されると、例外なくこの大変奇妙な制度に首を傾げますが、
それも一時のことです。
日本を去るころには、すっかり日本のジャーナリズムに絶望して帰国するのです。

EUは毎年のように、この閉鎖的な制度を廃止するよう日本に勧告しています。
しかし新聞は、日本特有の貿易習慣や、参入障壁についてはよく記事にしますが、
この奇妙な取材障壁について記事にしたことは、いまだかつて一度もありません。

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