株式会社ファイブスターズ アカデミー
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前回に引き続き、北原義典氏の「謎解き・人間行動の不思議」(講談社ブルーバックス)からの紹介です。
あなたの前には、テレビが置かれていて、男性の顔がアップになっています。
そして、この男性が「ma」と発音している映像が流れています。
ところが、スピーカーから出てくるのは、「ka」と発声している音声です。
さあ、あなたの耳には、なんと言っているように聞こえてくるでしょうか。
①「ma」と聞こえる
②「ka」と聞こえる
③「pa」と聞こえる
④何も聞こえない
実際にやってみるとわかりやすいのですが、文章で書いただけでは想像しにくいですよね。
まあそれでも、「③と④は、なしだな」と思われた方が多いのでは・・・・
ところが、答えはなんと③です。
謎解きしましょう。
まず、「ma」と発声するときなんですが、一度口を閉じないといけません。
なので、画面に流れている映像は、一度口を閉じてから発声しているものです。
一方、「ka」は、開いたままで発声できます。
逆に、一度口を閉じてしまうと「ka」の発声は出来なくなります。
さあ、そこであなたの脳は大混乱をきたすのです。
一度口を閉じているのに、「ka」というはずがない!
視覚から入ってきた情報と、聴覚から入ってきた情報が矛盾しているのです。
そこで妥協の産物として、脳は「pa」と認識するのです。
この現象は、以前このブログでも、マガーク効果として紹介しました。
あのときは、画像が「ga」で、音声が「ba」だっため、「da」に聞こえるというものでした。
このマガーク効果というのは、心理学では大変有名な実験です。
ずいぶん前ですが、日本テレビ系の「世界一受けたい授業」という番組でも紹介されました。
あなたの脳は、あなたのために、いつでも整合性をとろうとしているのです。
本当に健気ではありませんか。
でもこれが時として「思い込み」につながるのです。
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