株式会社ファイブスターズ アカデミー
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好き嫌いというのも、思い込みと同じで、脳の中につくられた回路です。
今回は、ハーモニカが大嫌いというだけで、人生最大の失敗をした男の話です。
中山康樹氏の「ジャズメンとの約束」(集英社)で紹介されているその男の名前は、
デイブ・デクスター・ジュニアといいます。
彼は、キャビトル・レコードの敏腕プロデューサーでした。
彼が見つけてきたミュージシャンは、ことごとくヒットを飛ばしていたため、
社長は彼の「耳」を信頼して、I新人発掘の仕事を任せていました。
ある変わった名前のグループから、再三デモのシングルが送られてきましたが、
彼は取り合おうとはしません。
会議の議題に上るたびに、デクスターの口から出る言葉は決まっていました。
「忘れろ!」
ところがある日、そのグループのマネージャーから、社長あてに国際電話がかかってきます。
なぜレコードを出してくれないのかという、売り込みというよりは抗議の電話でした。
そこまで言うならと、社長はデモで送られてきた3枚のシングルを聴いてみることにしました。
それはたしかに「変わった」音楽だったそうです。
デクスターが言うように、忘れたほうがいいようにも思いましたが、一方で
「この音楽には何かある。それに新しい」とも感じました。
社長はデクスターに、この音楽のどこが気に入らないかたずねました。
「ハーモニカだ」
彼は大のハーモニカ嫌いだったのです。
でも、3枚目にはハーモニカは入っていません。
「そのかわり、ヤーヤーヤーなんていうばかげた意味のないコーラスが入っている」
しかし、社長は、どうせ失うものは何も無いからと、発売に踏み切りました。
そのグループの、一番新しいシングルが発売されるや否や
過去のセールス記録が瞬時に塗り替えられるほどの大ヒット。
そこで早速、ボツにした3枚についてもレコードを出そうとしましたが、残念ながら時すでに遅し。
キャピトルが発売権を放棄したとみなされ、すでに別のマイナーな会社からひっそりと
発売されていたのです。
キャビトル・レコードは、気の遠くなるような大金を払って発売権を取り戻さざるを得ませんでした。
かくしてデクスターの評判は地に落ちました。
ハーモニカが嫌いだったという理由だけで・・・
中山氏はこ最後に、デクスターがボツにした3枚のシングルの曲名を紹介してくれています。
ラヴ・ミー・ドゥ
プリーズ・プリーズ・ミー
シー・ラヴズ・ユー
もしデクスターが、「ハーモニカ嫌い」という脳の回路に囚われなかったら、
あの、イギリス生まれのマシュルームカットの4人組を世に送り出した名プロデューサーとして
歴史に名を残す人物となっていたでしょう。
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