株式会社ファイブスターズ アカデミー

まずはお気軽に
お問い合わせください。

03-6812-9618

5☆s 講師ブログ

消費者の不思議な行動(3)

モノが私たちの心を豊かにするのではありません。

だから、優れたモノを開発したからと言って、性能のよさをアピールすれば売れるというわけではありません。
そのモノが、生活のどんなシーンでどんな楽しい演出をしてくれるのか、それを消費者にイメージさせる必要があるのです。

ある夏の日曜日に、こんな経験をしました。
スーパーの紳士服売り場でブラブラしていたときのことです。

そこには、大量の甚平がハンガーに吊るされていました。
そして、そのハンガーの上に、四角いPOPが目立つように立てられていました。

私は、てっきり新製品のPRだと思い込んでいました。
例えば、汗をかいてもムレない素材を使ったとか、洗濯しても乾きが早いとか、そんなことが書いてあるのだろうと予想して覗き込んだ私はびっくりしました。

なんとそこには、今後1カ月間、近くで行われる花火大会のスケジュールが、楽しげなイラストとともに書かれているではありませんか。
その瞬間、私の脳裏には、甚平を着て花火を眺めている私が、まるで写真のようにはっきり映し出されたのです。
そもそも私は今まで甚平など買ったこともないし、わざわざ花火大会に出かけたことなど一度もないにも関わらずです。

つまりこういうことです。
いまどき、甚平の新素材が開発されたところで、それに飛びつく人は少ないでしょう。
でも、「甚平を着て、家族でこんな楽しい夜を過ごしてみてはどうですか」という提案ならば、素直に受け入れる人は多いかもしれませんよね。

最近、またデフレがひどくなり、どこの売り場に行っても価格の安さを売りにしたPOPばかりです。
しかし、私たちがモノを買うときの基準は「価格」だけでしょうか。

もう一度言いますね。
モノが私たちの心を豊かにしてくれるわけではありません。
そのモノを、生活のシーンの中で小道具として演出したときの楽しさこそが、私たちの心を豊かにしてくれるのです。

そんな楽しいシーンを提案してくれる売り場が、本当に少なくなりました。

初めての方へ研修を探す講師紹介よくある質問会社案内お知らせお問い合わせサイトのご利用について個人情報保護方針

© FiveStars Academy Co., Ltd. All right reserved.