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5☆s 講師ブログ

「予感」を科学する

理屈ではうまく言えないけれど、なんとなく嫌な予感がすることってありますよね。
この「予感」っていうのは、科学的に根拠があるのでしょうか。

結論から言うと、よくわかっていません。
ただ、非科学的と切り捨ててしまうのも、ちょっと問題なんです。

今回ご紹介するのは、心理学では大変有名な「アイオワ・ギャンブリング課題」です。

今、あなたの目の前には、裏返しに伏せたカードの山が、4つあります。
左からA、B、C、Dとしましょう。
好きな山から1枚ずつカードを引いていきますが、どの山もほとんどは【当り】で、10枚に1枚の割合で【はずれ】があります。

AとBの山の場合、【当り】が出ると1万円もらえます。
【はずれ】だと12万5000円損します。
これは、痛いですよね。

CとDの山の場合、【当り】で5000円ゲット、【はずれ】で2万5000円の損。
こっちは、稼ぎは小さいけれど損はもっと小さい、いわゆる堅実プランなので有利ですよね。

さて、ゲームの手持ち資金として20万円渡されるのですが、初めからこの法則がわかっていたら、みんなCとDの山から引きますよね。
でも残念ながらこの法則は知らされていません。
だから、何十回もカードを引きながら、途中で気づくしかないのです。

みんな、最初の罰を受けるまでは、ウハウハ言ってAとBの山からばかり引いているのですが、罰を受けても20枚目くらいまではどの山が有利かは意識しないそうです。

勘が働き始めるのは50枚目くらいです。
この頃になると、なんとなくCとDが有利なんじゃないかと、勘が働くそうです。

そして、理屈としてCとDが有利だと理解する、つまりこの法則を知るのは80枚目くらいなんだそうです。
結構時間がかかるものですね。

ところが、アントニオ・ダマシオらの実験では、意外なことがわかりました。

彼らは、カードを引く人の体に特殊な機械をつけて、皮膚の通電性を測ってみました。
これは、ウソ発見器にも使われる原理で、心理状態が変化すると微量の汗をかきますので、電気が通りやすくなります。

なんと20枚目くらいの段階で、AとかBを選ぼうとすると、通電性に変化が現れたのです。
頭ではなんとも思っていなくても、体は危険を察知していたということです!

その後の研究では、脳の底部前頭前野に障害があると、このような変化は見られず、AとBを選び続けるそうです。
もしかしたら、この部位が「予感」の中枢なのかもしれませんね。

おそらく、原始生活を送っていた頃の私たちの遠い祖先は、図抜けた危険察知能力を持っていたのではないでしょうか。
アイオワ・ギャンブリング課題の通電性変化も、その名残なのかもしれませんね。

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