株式会社ファイブスターズ アカデミー
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前回は、日本人のセロトニン・トランスポーターの遺伝的要素が、心配症に関係しているのではないかという仮説をお話しました。
今回は、好奇心に関する遺伝子のお話しましょう。
好奇心が強ければ、当然モノの消費は盛んになります。
現在の日本の「需要不足=消費不足」は、日本特有の遺伝的な要素が関係しているのかもしれません。
今回の主役は、ドーパミン受容体です。
ドーパミンとは、セロトニン同様脳内の情報伝達物質ですが、別名「快感ホルモン」と言われています。
私たちの脳内の神経細胞の表面には、様々な物質を受け取る専用アンテナみたいなものが突き出ています。
これを、受容体といいます。
この受容体の数や感度の違いによって、感受性に差が生じるのです。
例えば、このドーパミン受容体の感度が鈍いと、脳の中で快感を感じるまでにたくさんのドーパミンが必要となります。
反対に鋭いと、少しの量で感じてしまうので、すぐに満足ということになります。
そもそもアメリカ人は「新奇探求性」といって、好奇心が強く、刺激的なことを求める傾向が強いと言われています。
だから、スカイダイビングなどの危険なスポーツが発達しました。
この新奇探求性傾向が、ドーパミンと関係があるのではないかということで研究が進められています。
ドーパミンの受容体はD1~D4まで4種類ありますが、問題はD4受容体です。
このD4受容体の分子中のアミノ酸の塩基繰り返しの回数によって、どうやら感受性が違うらしいのです。
どう違うかというと、7回繰り返しがある場合、新奇探求性が高くて、より強い刺激を求める傾向にあるそうです。
アメリカのホンの調査によると、36の人種1,327人を調べた結果、7回繰り返しは20.6%でしたが、アメリカ人だけ見ると48.3%もいたそうです。
日本人については、前回も紹介した慶応大学の大野裕氏が調査しています。
153人中7回繰り返しはひとりもいなくて、152人が4回、残りの1人は6回でした。
この調査結果を見る限り、日本人は、まさに新奇探求性を追求しない、つまりあまり好奇心を持たないタイプということになります。
だから日本では、新しモノ好きは浪費家のように批判され、「もったいない」が美徳のように言われるのです。
あえて、誤解を恐れずに言いますが、現在のような消費不足経済において、日本国民みんなが「もったいない」精神を発揮したら失業者で溢れかえることになるでしょう。
今やるべきことは、新しいモノをどんどん買うことです。
そして、買い換えで不要になったモノは、それを必要としている貧しい国に無償で提供すべきです。
そうやって、富める国は自らの経済成長の歩みを止めないで、同時に貧しい国が少しでも豊かになるように援助すべきです。
「もったいない」精神は、今この経済情勢下においては、失業者を増やすばかりでなく、発展途上国の人々をますます貧しくすることにつながるということを、私たちは今一度しっかりと認識すべきです。
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