株式会社ファイブスターズ アカデミー
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私が日銀総裁ならば、今すぐ景気回復のためにとる方策があります。
それは、日銀が株式市場から、直接株を購入することです。
その理由を説明する前に、この大不況がなぜ起こったかを振り返ってみましょう。
まず最初に起こったことは、アメリカのサブプライムローンの破綻でした。
これが引き金となって、世界中の金融商品や株が大暴落しました。
このとき、メディアはこのように報じました。
この金融界の問題が、いずれ実経済にも飛び火するのではないかと。
そして、事態はメディアの予言どおりになりました。
自動車や電器製品などの工業製品が売れなくなり、これらの輸出で潤っていた日本は大きな打撃を受けたのです。
金融商品の値下がりが、なぜ工業製品の買い控えに結びついたのでしょうか。
ちょっと想像してみてください。
あなたが、今、ある会社の株式を持っていて、その時価総額が1,000万円だと仮定しましょう。
ところが、その株が大暴落して、価値が100万円にまで下がったとします。
このことは、あなたの消費行動にどのような影響を与えるでしょうか?
やはり、少しは節約に励むのではないですか?
これは「逆資産効果」といって、保有する資産価値が下がると、消費は抑制される傾向にあるのです。
今世界中で起こっていることがこれです。
ここまでわかれば、対策は簡単ですよね。
資産価値を、元の水準まで引き上げてやればいいのです。
つまり、まずは、日経平均株価を暴落前の水準である1万8,000円あたりまで回復させてやることです。
日経平均を押し上げるためには、政府・日銀がどんどん紙幣を印刷して、そのお金で株式市場の株を買い支える行動
に出ればいいのです。
日経平均がなかなか上がらないというのは、マーケットで「売り」のポジションを取っている人が多いからです。
彼らは、これからまだまだ相場が下がると予想して、大量の空売りを浴びせています。
つまり、「買い」に回る人がそれほど多くはないか、あるいはどうせ資金が長続きしないと予想しているのです。
ところが、政府・日銀が「買い」のポジションをとるとなると話は別です。
なぜなら、政府・日銀の場合、資金が続かないということがないからです。
どんどん紙幣を印刷すれば、資金は無尽蔵にあります。
こんな手ごわい相手を敵にまわす市場参加者はいないでしょう。
もちろん当局は、すでにこのような姿勢を表明してはいます。
しかし、リップサービスではダメです。
本気で取り組む姿勢をマーケットに見せ付けることが必要です。
この政策は、以前このブログで紹介しましたが、かつてデフレ脱出策として岩田規久男氏が提案しました。
そして最近では、森永卓郎氏もテレビで同様の発言をしていました。
なぜに政府・日銀は実行しないのでしょか?
もちろん非伝統的な政策ですので怖さもあります。
しかし、100年に一度の大暴風雨を前にして、伝統的な政策に固執している場合ではないでしょう。
「効果がある、あるいはありそうだと思ったことは、勇気をもって実行するべきだ」
この言葉は、数年前のアメリカの経済学会で、当時のプリンストン大学経済学部長が、バブル崩壊後の日本銀行の無策ぶりを批判して述べたものです。
彼の名前は、ベン・バーナンキと言います。
そう、現在のFRB議長です。
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